ホワイトモンスターへ告ぐ【ONE PEICE】 (ページ13)

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トラファルガー・ネイside

海岸であの子を見つけたとき、どうしても放っておくことが出来なかった。

白い髪に白い肌、細い身体を見たとき、すぐにアルビノの子どもだと気づいた。
そして、腹部に負った大きな怪我にも。尖った木材のようなものが腹部を貫いていたのだ。

「これは酷い…」

失血死してしまうのは時間の問題。おそらく漂流してきたのだろう。体が冷え切っている。低体温症になってるのは間違いない。

早く帰って治療をしなければ。

凡そ、6歳頃だろうか。

「軽…」

軽すぎる体を抱えて、急いで家まで戻った。

治療を終えて三日後、目を覚ますなり、子どもはやけに大人びた言葉を使っていた。殺すだのなんだのと物申しているが、その細い身体で出来るとは思わない。

だから私は軽くあしらい、子どもの名前を聞いた。…教えてはくれなかったが。

警戒心ひどく強い子どもだった。大きな赤い目にギラギラと宿る敵意は子どもながらに恐ろしいと思ったけれど、震えあがるほど怖くはなかった。
アルビノは珍しい体質であるから、嫌煙されることが多い。本人も言っていたが、それで売り捌かれることも少なくない。それ故の警戒心の強さだろうと妻のリニーは言った。

そしてどうやら、子どもは巷でホワイトモンスターと呼ばれているらしい。

海賊船の船のみに現れる白い悪魔。そう呼ばれる奴がこの北の海に居るのだと患者から聞いた。
同時に、先生が拾ったあの少年にも気を付けなといわれた。大男だと聞いてるから心配はないだろうが、とも。

「ねぇ、ネイ。私、あの子が心配だわ」

子どもの治療を続ける中でそう言ったのは、妻のリニーだった。