ホワイトモンスターへ告ぐ【ONE PEICE】 (ページ11)

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「お婆さんを助けてくれたんですってね」

「…何の話だ」

「ふふ、隠さなくたっていいのよ。とても感謝してたんだから」

「感謝なんてされる筋合いなんてない。無性に腹が立っただけだ」

「真っ白い珀鉛のような少年が助けてくれたって喜んでたわ」

「それは皮肉か？」

「いいえ。この国で珀鉛は国宝のようなものなの。だから、誉め言葉として受け取っていいのよ」

「……おかしな国だな」

「あなたにぴったりの国じゃない。…ねぇ、そろそろ名前を教えてくれない？」

「嫌だって何度も言ってるだろ」

ベッドの横に座って、女は俺に喋りかけ続ける。俺は本から目を上げることなく答えていた。

けれど、ふと、流れる空気が変わった。

顔を上げると、真剣な表情をした女と目が合う。

「貴方、ここに住むつもりはない？」

「……は？」

「貴方に帰る家がないのなら、私たちを帰る場所にしてほしい」

「冗談は寝て言え」

「本当よ。あの人ともずっと話してたの」

「家族じゃなくて鑑賞用のペットだろ」

「どうしてそんな悲しいこと、」

「悲しい？平和な奴だな。それが現実だ。現に俺はここまで何度も売られて攫われて、そのたびに人を殺して逃げて生き伸びてきた。…名前くらいは聞いたことがあるんじゃないか？

　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　

俺はホワイトモンスターと呼ばれる殺人鬼だ」