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俺は体術が使えない。
ハックにも言われたが、この細い身体では威力のある拳も蹴りも繰り出すことはできない。ぺちんと当たって笑われるだけだ。
だから、幼少期、海賊をたらい回しにされていたあの頃から俺は、確実に、一発で仕留める方法だけを身に着けてきた。武器は邪魔になるから、その場で調達。金なんて持ってなかったしな。
「！！」
身体をハックの懐まで滑り込ませた。そのまま首を狙ってバランスが崩れたら僥倖。
ハックは俺と距離を取ろうとして、右足を重心にして後ろに下がるだろう。だから、まずは滑り込むと同時に右足を踏んで、逃げることが出来ないようにした…のに。
「ッ！！」
予想と反して左足が飛んできた。
なんとか腕で受けて、距離を取った。
「…体幹どうなってんだよ、お前」
「これでも、魚人空手師範。負けるわけにはいかんのだ」
「なるほどな」
吹っかけた手前、負けるのは癪に障る。だが正直、まだ体が覚えているとはいえ、戦闘をしていたのはもう10年以上前のこと。体つきも変わった今、100％前と同じような動きなわけがない。
「行くぞ！！」
「おっと…、ちょっと考えさせてくれよ」
「敵に情けは無用！」
「容赦なさすぎだろ馬鹿」
どうしたものか、と考えて、すぐにその思考をやめた。
どうしたもこうしたもない。ハックは俺が考えてる間も攻撃準備を整えてこっちに向かってくる。捌く数が増えると俺の体力が減っていくだけ。
…攻めるか。
再び突きを繰り出してきたハックの腕を踏み台にして、後ろ手に回る。その拍子に、さっきの木の棒のとがっていない方で首の後ろの乳様突起を叩いた。
「、なんだ、？！」
「さて、」
一瞬の隙。ふら付いたハックの右足に重心が乗る。伸びきったその右足の膝裏をまた木の棒で強く叩く。バランスを崩し、倒れたハックの顔スレスレに木の棒を突き刺す。
「そこまでっチャブル！！勝者はA！」
「大丈夫か？ハック」
動けなさそうなハックに肩を貸してイワンコフさんたちのところへ向かった。
「……何をした、！」
「人体の急所は熟知してる。ちょっと運動機能を麻痺させる急所…ツボ？みたいなのを刺激しただけだ」
「思いっきり急所って言ったわよね今」
「はは、死なない程度の強さで刺激したから大丈夫だろ。鼓膜も破れてねェし」
笑ってそういうと、4人は何とも言えない顔をしていた。
「え、何」
「A…一緒に訓練しよう」
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れい！(プロフ) - 続き気になりますもう更新はしないのでしょうか？ (2022年10月8日 18時) (
レス) @page32 id: 9b5f9f849f (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - こんにちは〜！凄く最高な作品で、一気に全部読んでしまいました！どんな感じで再開するんだろ？これからが楽しみです！自分のペースでのんびり更新頑張ってください！応援してます！ (2022年8月14日 18時) (レス) @page29 id: 9d8dc0f18d (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - こんばんは、夜分遅くに失礼します。主人公も、主人公とキャラクターの絡みも大好きです。1話から一気に読んでしまいました。本当に続きが楽しみです。更新待っています。 (2022年2月21日 2時) (レス) @page29 id: dce884b5b5 (このIDを非表示/違反報告)
雪林檎V2(プロフ) - 瑠璃アゲハさん» コメントと応援ありがとうございます！嬉しい限りです！再会シーンは私も早く書きたくてたまりません！！これからも引き続き読んでいただけたら嬉しいです！ (2021年2月10日 1時) (レス) id: 0b7b2175db (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃アゲハ(プロフ) - こんにちは！いつも楽しませて頂いてます！続きが気になるばかり、再会が楽しみです！応援しています！ (2021年2月9日 21時) (レス) id: b1b687d56b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪林檎V2 | 作成日時：2021年2月9日 18時
