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「いらっしゃい」
「ここ、医学書置いてるか？」
「あァ勿論」
本屋に入ると、穏やかそうな婆さんがパタパタとはたきで埃を落としながら俺を出迎えた。
「……フレバンス」
ぐるりと見回して、ふと一冊の本に目がとまった。白い町と名付けられたタイトルの本を手に取る。表紙を開こうとして、店主の婆さんに声をかけられた。
「おや、アンタもそれが気になるのかい？」
「…も？」
「前にね、…あー、もう随分前だが…その本を買って帰った若くて厳つい男がいたんだよ…お前さんで二人目さ」
「誰も買うとは言ってねェぞ」
「手に取ったなら買わなきゃ損さ…医学書はあっちさね」
「………」
不思議な婆さんだこと。
それから、色々と本屋の中を物色して、3冊程度医学書と薬学の本を買った。フレバンスの本は買わなかった。
そのままふらふらと街中を歩いているとバタバタと慌ただしく走ってくる人たち。少し気になって、一人捕まえて話を聞いてみた。
「何の騒ぎだ？」
「医者を殴った患者が居るんだよ！なんでも、巨漢なのに暴れ回ってるから手が付けられねえんだとよ！変なメイクしてるし気味が悪い！」
「…へェ」
医者を殴ったと言うところでさっきの男じゃないかと推測したが、まったくもってその通りだった。何をやってるんだと頭が痛くなる。病院へ向かうか…？いやでもな…。
すると、そこで電電虫が鳴った。
プルプルプルプル…
「はい、」
「A！！いったいどこに行ってるんだ！！あとはお前が帰ってくるだけだぞ！？」
馬鹿でかいハックの大声。いや、うるせェ。
「落ち着けよ、ハック。まだ集合時間じゃないだろ？」
「そんなわけなかろう！！もうとっくに過ぎとるわ！！」
「はぁ？」
自分の懐中時計を見ると、集合時間の１時間前を指してる。
………？
「あ、時計止まってるわ」
「急げ馬鹿者！！」
また再びあの男に会うことがあったら、病気を見てやろう。きっとそれも、何かの縁だ。
「名前くらい、聞いておけば良かった」
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れい！(プロフ) - 続き気になりますもう更新はしないのでしょうか？ (2022年10月8日 18時) (
レス) @page32 id: 9b5f9f849f (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - こんにちは〜！凄く最高な作品で、一気に全部読んでしまいました！どんな感じで再開するんだろ？これからが楽しみです！自分のペースでのんびり更新頑張ってください！応援してます！ (2022年8月14日 18時) (レス) @page29 id: 9d8dc0f18d (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - こんばんは、夜分遅くに失礼します。主人公も、主人公とキャラクターの絡みも大好きです。1話から一気に読んでしまいました。本当に続きが楽しみです。更新待っています。 (2022年2月21日 2時) (レス) @page29 id: dce884b5b5 (このIDを非表示/違反報告)
雪林檎V2(プロフ) - 瑠璃アゲハさん» コメントと応援ありがとうございます！嬉しい限りです！再会シーンは私も早く書きたくてたまりません！！これからも引き続き読んでいただけたら嬉しいです！ (2021年2月10日 1時) (レス) id: 0b7b2175db (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃アゲハ(プロフ) - こんにちは！いつも楽しませて頂いてます！続きが気になるばかり、再会が楽しみです！応援しています！ (2021年2月9日 21時) (レス) id: b1b687d56b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪林檎V2 | 作成日時：2021年2月9日 18時
