水の神子は水柱の刀鍛冶らしい…？本編 (ページ8)

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五、ちっぽけな期待見えない未来ページ8

竃門said

また罠が新しくなってる！霧もまだ濃い、一瞬でも気を抜けば……いや、俺はやれる！俺は長男だ！頑張れ、頑張れ

「ーー、」

でも、少し不思議な匂いがするな。人か？
でもこの山に人が入ってくる感じはなかったけど…
じゃあ獣か？いや、獣はこんな匂いはしないだろう。こんな水みたいな……

それにしても変だ。
雨は降っていない。この辺りには川もないはず。なのに俺がずっと走ってても一定の距離から匂ってくる

「ねぇ」

鱗滝さんとも富岡さんとも違う、また別の水。
浅い川の底の中心をすり抜けるように流れていく、そんな

「ね、ちょっと待、待って！速い！ねぇ君だよ！？ゲホッ、ちょ…っ、いや、態々俺のためだけに止まってもらうのもどうかとは思うけどっ！おねが、お願いだから！待って？！」

炭治郎「え、人？！」

俺を追って走ってきたのか、気付かず申し訳ない
止まって振り返ったら、今まで見たことがないくらい綺麗な人がいた
禰豆子だって綺麗だけど、この人はまた違う綺麗さを感じる

その綺麗な人が息切れで顔を真っ赤にして、俺を見ている。その事実と、こうなるまで走らせてしまった申し訳なさで大変いたたまれない
その人はそれでもニコニコとした顔だったけれど

炭治郎「綺麗……」

しまった、これはあまりにもな失言だ
ここまで綺麗な人だ。それで何かに巻き込まれたりなんかもあるかもしれない

炭治郎「すみません！でも、あの、本当に綺麗で…！あ、気付かず走ってしまってすみません！！大丈夫ですか？」

？「すー…はー…あー、うん。ごめんね。大丈夫。別に褒められたのに怒ったりしないから、安心して。」

天「俺は勿忘天。天でいいよ。とある人を探してるけど、そもそも人にすら会えなくて。それで君を見つけて、思わず追いかけちゃった。頑張って走ってたのに、引き止めてごめんね。君は？」

炭治郎「ありがとうございます、天さん！俺は竃門炭治郎です。妹がいるので、俺も炭治郎でお願いします！」

それが初対面で、もう会うことだってないかもしれない。
明日があるのか、数秒後の命の保証さえ出来ないのに。
それなのに、彼とはこれからも関わっていくことになるのだろうと、なんとなく思った。

炭治郎「(そうなったら、良いなぁ…)」

なんの根拠も無い、俺個人の希望だった。