蒼炎と氷霧

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＃５、失敗作ページ6

正直、お前の事を”失敗作”だとは思った事がない。

父さんに認められたくて、必死に努力してるのを知っていたからだ。

必死で、血反吐を吐きながらも走るお前が…少し怖かった。

「もうやめとけよ！この間も父さんと母さんに止められただろ！？」

「大丈夫だよ、すぐ戻ってくるから」

あの時、引きずってでも…半殺しにしてでも連れて帰るべきだった。

ずっと、後悔の蒼い炎が内側から俺の事を焦がした。

その痛みを誤魔化すために、ひたすら”冷やした”。

どれだけ怪我をしようとも、冷やして、冷やして冷やして冷やして…

「お前が死んでから、父さんは壊れた。家族はバラバラになるし、母さんも…
焦凍は火傷するし、冬美や夏雄はあまり笑わなくなった。…辛かったんだよ」

「っは(笑)、自業自得だね！…知ったこっちゃない」

「轟家の長男、プロヒーローのエンデヴァーの息子、今までは半分しか肩に
乗ってなかったのに、お前が死んで倍になった。2人で1つだったのにな」

「…何が言いたいんだよ」

「俺には、お前が必要だってことだよ。”燈矢”」

「綺麗ごとばっかり…言ってんじゃねぇよ！！！！」

「事実を言ってるんだよ。さっさとくたばれ…”荼毘”。

俺には”燈矢”が必要なんだ。”荼毘”じゃない」