本当の私を愛してくれますか？第１章 (ページ13)

今日:3 hit、昨日:12 hit、合計:57,848 hit

振られた理由。　(人5)・(人6)side ページ13

ﾐｼﾞｮﾝ『私の気持ちを受け入れてもらえないのは、私が男だからですか？それともほかに好きな人がいるから？』
私のつぶやきが聞こえたのか、佐伯さんの表情が変わった。
なぜ？って…そう思っているみたい。

ﾐｼﾞｮﾝ『私達みたいに男女のハーフは男性の気持ちも女性の気持ちもそれとなくわかっちゃっうんです。佐伯さんの態度を見てたら、Aの事が気になってる感じが見え見えですもん…
私が言ってる事、間違ってます？』上目使いで佐伯さんを見ると、わかりやすく耳まで真っ赤。

あ～あ～、私の勘は見事に当たったみたいです。

佐伯『あの…俺の態度って、そんなにわかりやすいですか？』
ﾐｼﾞｮﾝ『はい、すぐにわかりましたよ。』それって認めているって事ですよねっ？

ﾐｼﾞｮﾝ『でも、Aは気づいてないと思います。多分、彼女、今日は私の思いをかなえようって必死だったから、、、』
佐伯『そっかぁ～…なんだかあいつらしいですねっ(^_^;)』

あいつ…かっ。なんだか特別な存在みたい。A、あなたがとってもうらやましい。

俺の言葉に下を向いたﾐｼﾞｮﾝさんが一瞬寂しそうな顔をしているように見えた。
でも俺は、そんなﾐｼﾞｮﾝさんにかける言葉さえ見つからなかった。

しばらく沈黙が続いた後、大きな深呼吸をしたﾐｼﾞｮﾝさんが意を決したように顔を上げた。
ﾐｼﾞｮﾝ『佐伯さん！』
その勢いにすこし押され気味の俺…
佐伯『あっ、はい…』
ﾐｼﾞｮﾝ『わかりました。私、佐伯さんの事、潔く諦めます。でもこれだけははっきりさせておきたくて…いいですか？』
佐伯『は、はい。』
ﾐｼﾞｮﾝ『私が振られたのは、私が男だからではなく、佐伯さんには思いを寄せる人が、Aという存在がいたからですよねっ？』
まっすぐと俺を見つめる瞳。キラキラしていて錯覚してしまう。
あいつから男だという事を聞いていなければ、心がグラついたかも・・・そう思ったけど、、、
佐伯『そうです。僕がﾐｼﾞｮﾝさんの気持ちを受け入れられなかったのは、加納の事が好きだからです。』
俺がそう宣言すると、少しホッとした表情をみせたﾐｼﾞｮﾝさん。

これが、今の俺にできるたった一つの優しさ。そんな気がしていた。

するとﾐｼﾞｮﾝさんがテーブルの上にそっと右手を差出し、にっこり微笑むと
ﾐｼﾞｮﾝ『よかった(*^^) これで私も次の恋に勧めそうな気がします。それからこのリング、右手だったらつけてもらえるんですよねっ？だって私も佐伯さんみたいな素敵な人と恋がしたいもん…いいですよねっ？』