ぽや門に恋した姫 (ページ16)

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(私どうやって帰ってきたんやっけ、？)

気づいたら自分の家のベッドの上で大の字に寝っ転がっていた。

起き上がってリビングに行き、ソファの上にあったバックからスマホを取り出す。

『21時、、3時間も経ってたんか』

こんな時でも仕事のメールはくるわけで、通知を確認しているとピコンっとスマホがなった。

佐野ちょっと聞きたいことあるんやけど今何してるん?

タイミング的にいいのか悪いのか、晶哉くんからのメールがきた。
今は何となく話す気分やないから適当に返信する。

Aしんでる

『いや、さすがに適当すぎか』

送信取り消しをしようとしたら運悪くすぐに既読がついてしまった。
後悔するのも遅く、すぐに晶哉くんから電話がきた。

(無視したいけどな…晶哉くん後々文句言いそうやし)

『…もしもし』

佐「生きてるやん」

『心がしんでる』

佐「なんでや、声聞く限り元気ないのは分かるけど」

『言わなあかん…？』

佐「無理強いはせえへんけど、これまでの経験上Aは色々と溜め込むタイプやから話すことをおすすめする」

『なにそれ…(笑)随分私の事ご存知で』

佐「何年一緒におると思っとるん？(笑)」

晶哉くんには話しても大丈夫そうだと思い、先程のことを話してみた。

佐「えぇぇぇっ！！正門くん女の人とおったん！？」

『うん…なんや分からんけどな、その人と親しげに話してる正門くん見てたら、心の底から黒い感情が湧き上がってきてたまらんくなってその場から逃げちゃったんよ』

佐「そうか、、でもそれはAの立場からしたら当たり前のことやと思うし、気にせん方がええよ」

『分かってるんよ。でも、彼女おる人を好きやなんて……好きになっちゃいけない人やったんよ、正門くんは』

好きな人に好きな人がいることがこんなに辛いことなんやと初めて知った。

(こんな気持ちになるんやったら、最初から好きにならなければ良かったんや……)

佐「それは違うやろ？」