オレの彼女、キス魔でした。【佐野真一郎】

Episode 22 ページ23

Aside









遂に、十年間シンイチローに隠していた事がバレてしまった。




でも別に私悪くないし。





悪いのはワカだもん。









シンイチローはワカと私に黒い笑顔を向けてくる。






シンイチローが怒っている時程怖いものは無い。




いつも温厚なシンイチローが怒る時はよっぽどのことがあった時だ。









「ファーストキスぐらい、どうでもいいじゃん。」




呆れたワカはシンイチローにそう言い放つ。








「へー。ワカは俺のファーストキスを奪った挙句、Aのファーストキスも奪ったのになー？」





『…え？』




「は？」







オレノファーストキスヲウバッタ？




『…え、もしかしてワカってそーいう趣味？』





ンな訳ねぇだろ。と頭を叩かれた。







なんと、私とシンイチローのファーストキスの相手はワカだったらしい。








「オマエが寝ぼけてオレのファーストキス奪ったんだよ。」





「ンな事覚えてる訳ねぇよ。」







オレのファーストキスはAの為に残しておいたのに。






なんて少し女々しいシンイチロー。






『私もシンイチローの為にファーストキス、残してたんだよ？』







私とシンイチローは、ワカを現行犯逮捕しようとしたけど、逃げられてしまった。







「バカップルはさっさと結婚でもしとけ。」






ワカはメンテ終わりのザリに乗って逃げていった。









.









.









後日、武臣にこの事を相談しに行くと。






「オマエらそろそろ籍入れろよ。」




『それワカにも言われた。』

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