_ 優 し さ は 心 の 棘 を 溶 か す 。 ページ14
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向井「 ちょっ… 」
俺は今日沢山注意されたばっかやし、姫宮みたいには踊れない。
姫宮は分からへんなあ…
姫宮「 せっかく残るのなら少し付き合ってくださいよ！ 」
向井「 なんで俺なん？ 」
姫宮「 向井さんがここに居るからですよ！ 」
向井「 意味わからへん… 」
そのまま姫宮は今日関ジュで練習していたところを踊り出した。
やっぱ、綺麗やなぁ…
俺はそのまま立ち尽くしていた。
姫宮「 向井さんやらないんですかー？ 」
大体の振りを通した姫宮に俺はそう声をかけられた。
何故かこの空間が居心地が良かった。
どうしてこう思ったんやろ…
向井「 俺も…やる。姫宮、そこ教えてくれん？ 」
姫宮「 いいですよ！一緒にやりましょう？ 」
私が分からないところは教えてくださいね、という姫宮。
そこで気付いた、今日俺に話しかけてきたのは彼女の優しさだということに。
彼女は俺が悩んでいることに気付いていたんだ。
そしたらさっきの言葉がどういう意図で発されたのか意味が理解出来る。
姫宮が最初から踊り始めたのを見て、俺も一緒に踊る。
すんなり振り付けが頭に入ってきて、今まで上手くいかなかったのが嘘みたいだ。
一度振りを通し終わり、横を見ると姫宮が笑っていた。
姫宮「 それです。私が憧れる向井さんのダンスは 」
向井「 今までのが違うかったって言いたいん！？めっちゃ失礼やない！？ 」
姫宮「 違いましたよ！だって今は楽しそうにしてましたもん！！ 」
向井「 …！俺今、楽しそうやった？ 」
姫宮「 はい！ 」
向井「 そうなんか…俺まだやれるんやなぁ 」
姫宮「 出来ますよ！だって向井さんは凄く努力家な方ですから！ 」
向井「 ありがとうな、A 」
姫宮「 …え？ 」
向井「 俺も今日からAって呼んでええ？ 」
姫宮「 えっ、大丈夫ですけど…さっき既に呼んでましたよね？ 」
向井「 そんなん知らん！Aも向井さんやめーや？ 」
姫宮「 …康二くん？ 」
向井「 ええやん、これからそれで呼んでな？ 」
姫宮「 はい笑 」
この子、めちゃくちゃ可愛ええな笑
向井「 A、ここの振り付け教えてほしいんやけど！！ 」
姫宮「 康二くん急すぎません？いいですよ！私そこ得意です！！ 」
これが、俺とりえるの馴れ初め。
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