_ " キ ミ " を 知 る 。 ページ13
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俺は、姫宮Aのことを認めることが出来ない。
底知れぬ実力があるのは知っている。
今やってそう。
レッスンを真面目にこなす彼女。
多忙である中普通に俺らについて行く、いやなんなら追い越している勢いの凄い子。
実力があるからといって、そんな軽々しく歓迎できたものやない。
俺は、反対やった。
そこには嫉妬も隠れている。
それは自覚しとるし、ダメなんは分かっとる。
「なにわ男子結成」に、俺の名前はなかった。
何でなん、そう思った。
よお見たら関東の子が混じっとるし。
いやなにわも男子もちゃうやん、何であの子なん？
俺の名前はなく、あるのは姫宮A、の文字。
向井「 何で、関東のしかも女の子がこっちに来るんや… 」
よく知らない彼女に嫌悪感を抱く。
嫉妬心丸出しで、あの子が来た日は無視をした。
嗚呼、俺最低やな。
でも、納得いかへん、認めたくないねん。
俺、このまま辞めてまおうかな。
そう思ったら何もかもが上手くいかんくて、
最近増えた注意の数。
今日は一段と多く、色んな人に迷惑かけてもうた。
レッスンが終わり、一人虚しく、特に何もせずに残っていた。
姫宮「 向井さん！ 」
そう呼ばれ見上げると、俺が憎いと思ってしまっている姫宮Aがいた。
向井「 なん、なんやねんっ… 」
先程まで泣いていたからか、思うままに声が出ない。
振り絞って繋いだ言葉は、棘のある言い方になった。
姫宮「 向井さん、一緒に踊りませんか 」
これはどういった意図で言っとるんやろか。
姫宮「 関東にいた時からこっそり見ていたんです！雰囲気がとても温かくて、優しい関西のことを。その空気感が個人的ながら凄く好きで。…中でも向井さんは特に。 」
え、？
姫宮「 今の向井さんは焦っていませんか？ 」
向井「 何、何を言おうとしとるん。関係ないやろ？そもそもでお前に何が分かるんや 」
姫宮「 分からないですよ、ただ焦っているのは目に見えています。何を焦る必要があるんですか 」
向井「 姫宮はええやん、やって何でも出来るんやから。そんな姫宮には分からんやろ 」
姫宮「 …向井さんは向井さんでしょ！はあもう！私今から今日の復習やるんで一緒にやりますよ！！ 」
真剣な顔つきでそう言った姫宮。
向井「 俺は、俺…か。え、てか待ってや！俺もやるん！？ 」
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_ 優 し さ は 心 の 棘 を 溶 か す 。→←_ 思 わ れ る 程 弱 く な い 。
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