ドラクエＸＩ 短編集*:.

＊土下座の末に ページ15

ファーリス「(ど、どうだ…？？)」





ジエーゴ「……





……





ふっ…





あっはっはっは！！
おめぇ、急に何言い出すかと思えば…一国の王子が、この俺に土下座してるとはな！
こんな情けねぇ王子は初めてだっ…」







シルビア「…パパ！！」







ファーリス「(…情けなくたっていい。どう思われたっていい。
非力で弱虫な僕はこれが精一杯のアプローチだ…
土下座だけなら誰にも負けない…
僕は…誰に頭を下げても、彼女が欲しいんだ…！)

…どう言われても構いません。
足りないのなら、何度だって土下座します！
あなたがはいと言うまでは、僕は一歩も引きません…！！」






シルビア「ファーリスちゃん…」







ジエーゴ「なるほど。お前なりの決意の表明ってわけか。
プライドを捨て、己の使命だけに全力で応じる…


…よし、気に入った！
俺はこんなに簡単に土下座しちまう王子は初めて見た。
だが、そんな真っ直ぐなお前に俺は感動しちまったぜ。
お前の頼みは聞いてやる。あの娘は連れて帰るといい。なぁーに、あの娘がいなくたって困る事は無いさ。
ただ、お前には約束がある」





ファーリス「は、はい…なんでしょう…」




ジエーゴ「あの子を思う気持ちにプライドを持て。
今お前がここでやった事。俺に言った事、絶対に忘れるな。
惚れた女を一生涯守り抜くのが男ってもんだ。」





ファーリス「は、はい！ありがとうございます！」




ジエーゴ「だが彼女にもしっかり話をしろよ。
…ま、お前の頼みならば喜んでついて行くか。」



シルビア「Aちゃんっていう子よ。
あの子、今はお庭のお花のお世話をしているから、声をかけて来なさい。
…しっかりリードしてあげるのよ。男らしくね。
あと、パパとの約束忘れちゃダメよ？」



ファーリス「は、はい！
ありがとうございます！
…ジエーゴさん、シルビアさん。お二人にはサマディーからお礼の品を差し上げますのでっ！」



ジエーゴ「おう。俺たちの事は気にするなよ！」



シルビア「仲良くねっ！」









ーパタンー






ジエーゴ「…サマディー王の御子息は、何かとんでもないモンを秘めていそうだな」


シルビア「ご両親でも無いのに頭を下げるって、なかなか勇気いるわよね。それをファーリスちゃんはさらっとやってのけるんだもの」




ジエーゴ「…ま、若いってのはいい事だ。
少し、昔の自分と重ねちまってな…アイツには、幸せになってもらいてぇな」

＊サマディーへと帰還→←＊ファーリスの賭け

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