結んで、閉じ込めて【一松】 (ページ4)

今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:8,009 hit

第3話ページ4

別にあの人が気になったわけじゃない。

ただ猫が心配だったから…

本当にそれだけ。

一松「よかった…元気だね、お前」

【みゃお！】

一松「よしよし…うちには連れて帰れないけど…
また餌持ってくるから。
今日もキャットフードでいい？」

ちらりと視線をカフェに向けると、彼女がいた。
笑顔で接客して、まるで疲労を感じさせないのはさすがだと思う。

まあ、あの子には彼がいるからね。

鳴海さん…か。

下の名前なんていうんだろう？

まあ俺には関係ないか…

一松「じゃーね。また来る。足、早く治しなよ。」

A『(あの子…また来てる…)』

ー松野家ー

一松「…ただいま。」

おそ「おかえり～」

十四「おかえりなさい！一松兄さん！」

一松「何？」

十四「なんかいい事あったでしょ？」

ギクッ…
なんなんだこいつの核心をつくような言葉は…

一松「は、はあ…？別になんもないし」

十四「えぇ～？そうー？？こんな楽しそうな兄さんあまり見たことないよ～」

一松「いや、マジで。なんもないから」

チョロ「あ、そういやさ。鳴海さんいた？」

一松「ッッッ！！」

しまった！チョロ松(こいつ)の事ノーマークだった！
まさかこんなタイミングで言ってくるか？！
すました顔しやがって…！

一松「いや、べ、別に…」

おそ「ちょっと待って。鳴海さんって誰？」

十四「なるみさん～？」

トド「ねぇ、その鳴海さんって駅のカフェの人のこと？？」

ギクッ！

チョロ「そうそう、一松ったら珍しく人に興味示しちゃってさぁ～」

トド「へぇ～一松兄さんってああいうのがタイプなんだ。ふーん、わかるわかる～」

一松「別にそんなんじゃっ…」

おそ「てことは一松！お前やっぱあの一軍に惚れたんだな？！やめときなって！」

(パキッ)

カラ「おい一松？一松どうした一松？！
…これは… 廃人になっている…！？」

おそ「嘘だろ？！おい！一松？？！一松！しっかりしろ、おい！」

トド「繊細過ぎない？！」

十四「なるみさん僕も会いたいよー！」

ああ、そうだそうだった。

僕とあの子は…

住む世界が違うんだった。