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背筋がひんやりとするような低い声が、後ろから響く。
無言の時に静まり返る更衣室が、死ぬほど怖くて、涙が出そうだった。
TH「具体的に言えば、そうだね。俺たちに手を出すことなんかいくらでも出来るのに、仕事に一直線なところとか。俺たちと一緒に話してる時の業務っぽい感じも、結構好き。」
『だ、だって、仕事ですし、』
TH「ほら。口を開けば仕事。それでも俺たちより何倍も何倍も純粋で無防備じゃん。」
何を言ってるかよく分からない。
そんなに好きとか面白いとか言われても。テヒョンさんが私のことをしっかり見ているとは思っていなかった。いや、一体何をどう見ているか分からないけれど。
パニックだ。服を握りしめる力が強くなる。
早く出て行ってくれ。
必死に、必死に、そう願った。
『……も、もう、いいですか……』
TH「何が良いの?」
『ジョングクさんのことは知りませんッ、私とジョングクさんは何も関係がありません……、テヒョンさんに何が関係あるんですかっ、知って得はないでしょうッ!?』
思わず叫んだ。
頭が痛い。
追い詰められるのは、嫌いだ。
こうなると落ち着けなくなる自分が、嫌いだ。
TH「…ジョングガも言ってたけどさぁ、」
カツカツと。靴の音がする。
だんだんと近づいて来るそれに、ゾゾっと鳥肌が立つ。
冷や汗が、ぽたっと頬を滴った。
嘘だろう。
待ってくれ。
せめて、もっと、正々堂々と何かを言えるときがいい。
その瞬間。
がっと、背後から二の腕を掴まれた。
TH「結構、ガード緩いって言われない?」
ぐっと重みがした。
きゅっと腕を握られて、血が止まるような痛みに思わず顔が歪んだ。
ジョングクさんのあの時と一緒だった。
瞬間、フラッシュバックする。
顔が青ざめる感覚がした。
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ロミオ(プロフ) - コメント失礼します、パスワードがかかってる作品が読みたいのですが、また読めたりしますか? (2020年7月12日 14時) (レス) id: a652f54267 (このIDを非表示/違反報告)
いつき(プロフ) - おーちゃさん» おーちゃさん、コメント有難うございます。私も切実にそう願っております。ヌナ呼びされたいです。生憎私はジョングクさんより年下で、こんな妄想下でしかヌナと呼ばれないのですが、同じような気持ちで居てくれる方がいて嬉しいです。これからも頑張ります。 (2020年2月24日 20時) (レス) id: 317f2047c2 (このIDを非表示/違反報告)
おーちゃ - 本当の歳もぐくより上でありたかったとおもうこの頃。 (2020年2月24日 17時) (レス) id: 170daf7539 (このIDを非表示/違反報告)
いつき(プロフ) - めるたさん» めるたさん、コメント有難うございます。そう言ってくださると本当に嬉しいです、有難うございます。少しズレてるジョングクさんの重い愛を見せていければなと思います。これからも頑張ります! (2020年2月23日 10時) (レス) id: 317f2047c2 (このIDを非表示/違反報告)
めるた(プロフ) - ジョングクの愛重すぎるところすごい好きです笑 勘違い爆発してるとこも面白すぎます大好きです (2020年2月22日 22時) (レス) id: f979da34d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いつき x他1人 | 作成日時:2020年2月14日 0時