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その後、先生達がなんとか他クラスの生徒を追い返し、私達は全員で机や椅子を直した。
薄く何かが書かれているかと思ったが、なんて書いてあるかは分からなくて。
「…この中で、やった人はいるか?」
先生が怒り気味にそう言った。
静まり返る教室。
そりゃそうだ。たとえ誰かがやっていたとしても、挙げる人なんかいるわけがないだろう。
「正直に言うんだ。全員が悲しい思いをしている。」
私の写真。
びりびりに破かれて、ゴミ箱に捨てられていたらしい。
その時だった。
少し遠くの場所から、手が挙がったのが見えた。
「…あ、…あの…」
小柄で気弱な女の子。
と、騒つく教室。
「やったのは、私じゃないですが……
犯人を、見ました。」
息を飲んだ。
これは何かのドラマなのかと思った程だ。緊張感で教室内がびりびりとしている。
誰だよ、と迫るクラス。
ゆっくりと口を開けた女の子が、泣きそうな声で言ったのだ。
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「…ジミンくんが、……昨日の放課後、やっていたのを…見たん、です。」
一瞬。
たった一瞬にして、静まり返った。
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「…う、嘘だろ…」
「ジミンくんが!?」
「……あり得ない」
また、クラスが騒ついた。
そして何より、私が1番焦っていたのかもしれない。
半信半疑であった。
昨日、私が出て行ったときから、ジミンは何をしていたのか。
「おい、ジミン…それは本当なのか…?」
JM「…いや、僕は何も…」
と、ジミンが言おうとした瞬間。
「嘘付かないでよ!!黒板にAちゃんの悪口だって書いてたじゃないッ!!!!」
声を張り上げて、泣きながら言うその子。
ばっと私に視線が集まったのが分かった。
『……わ、…私……?』
今は綺麗になっている黒板に目を向ける。
…私の悪口を……ジミンが書いてた……?
「おい、……マジかよジミン……」
「最低……Aちゃん超可哀想じゃん…」
「優しそうな顔してんのにやることえげつな……マジでクズじゃん、ジミンって。」
一体、このクラスには、何があったのか。
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いつき(プロフ) - Mallikaさん» 有難うございます……!私の小説に出会って下さったこと、心から感謝します。全部読んでくださったんですか!?嬉しいです……!!これからも頑張ります! (2019年7月29日 20時) (レス) id: 317f2047c2 (このIDを非表示/違反報告)
sunayong(プロフ) - お疲れ様でした!少し前からいつきさんの作品を読ませてもらってて、お気に入り登録させて頂いてます笑 あの、もしよかったらこの後二人がらぶらぶしてる感じの番外編みたいなの書いていただけませんか…?笑 書いて下さると嬉しいです!!これからも頑張ってください! (2019年7月29日 20時) (レス) id: 30541f0aca (このIDを非表示/違反報告)
Mallika(プロフ) - コメント失礼します。少し遅れて読みました!完結おめでとうございます!この作品を機に、いつきさんの虜になって、新作も含めての全部の作品を読んで参りました。どの作品も面白かったです。これからも応援してます!長文失礼しました。 (2019年7月29日 15時) (レス) id: 19ee6a8b55 (このIDを非表示/違反報告)
いつき(プロフ) - tomiichさん» 有難うございます…!嬉しいです。明日から新作も出そうかなと予定しているので、楽しみに待ってくださると幸いです。これからも頑張ります! (2019年7月27日 23時) (レス) id: 317f2047c2 (このIDを非表示/違反報告)
tomiich(プロフ) - とても楽しく最後まで読まさせて頂きました!!!他の作品も楽しみにしてます。完結おめでとうございます!! (2019年7月27日 22時) (レス) id: a666661c6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いつき x他1人 | 作成日時:2019年7月15日 11時