ゆるらりるりらゆるゆりら。【幽幻ロマンチカ】 (ページ10)

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桜が8輪ページ10

桜花「ん…暇…」

イリヤに今日は学校休めって言われたから

桜の木の幹の中にある部屋でゴロゴロしてるんだけど

やっぱり…

桜花「暇だよ…」

千世くんに謝りに行かなきゃいけないけど

まだ授業中だし…

千世くんに取り憑いてあやまろうかとも思ったけど

びっくりさせちゃうし

なんで『姫』が謝りに来るのかってことになっちゃうし…

とにかく今は何もできない

別に熱下がったんだから学校行くって言ったのに

イリヤの心配性…

その時

コンコン

誰かが部屋のドア…ならぬ木の幹をたたく音

多分これは

桜花「お兄ちゃん？」

ハナヲ「やあ桜花！具合はもういいのかい？」

桜花「うん、大丈夫」

ところでさ

お兄ちゃんってなんでいつも薔薇背負って登場するんだろうね

疲れないのかな？

桜花「お兄ちゃん、授業中じゃないの？」

ハナヲ「あぁ、授業中だよ。だけどちょっと妖力で、ね」

抜け出してきたのね

ハナヲ「はい、お見舞い」

そう言ってお兄ちゃんが渡してきた袋には

桜花「マカロン…！」

ハナヲ「昨日イリヤくんにも買ってもらったみたいだけど、他に思いつかなかったからさ」

桜花「うん、全然大丈夫！ありがとうお兄ちゃん、大好き！」

ぽすっと音をたててお兄ちゃんの胸へ飛び込むと、優しく頭を撫でてくれた

桜花「ねぇお兄ちゃん」

ハナヲ「なんだい？」

桜花「あとどれくらいで授業終わるかな？」

ハナヲ「あと…3時間くらいで全部の授業終わるんじゃないかな？なんでだい？」

桜花「千世くんに謝りに行かなきゃ」

ハナヲ「そっか。頑張ってね」

そう言ってお兄ちゃんは

もう一度優しく頭を撫でてくれた