ゆるらりるりらゆるゆりら。【幽幻ロマンチカ】 (ページ4)

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桜が3輪ページ4

《千世side》

コンビニから出た俺は

ゆっくり家に向かっていた

妹がまた風邪をひいた

よくあることなんだけど、今日はたまたま親がいなかった

それで買い出しに出ていたんだけど

家には姉もいるしとりあえずはまだ大丈夫だろう

そう思って、学校前を歩く

すると校庭の方から

千世「桜の花びら…？」

俺の記憶が正しければ

今は夏

桜が咲くのは春

千世「もしかして…」

俺が通う七霧学園には

七不思議がある

全部で9個くらい

七不思議なのになんで9個あるのかは知らないけど

その中の１つに

真夜中に咲き誇る桜ってのがあった気がする

もしそれが本当なら…

千世「行ってみるか」

フェンスを乗り越え桜の方へ

千世「な…？本当に咲いてる…⁉」

そして俺はその桜に

触れた

そのとき

⁇「あーあ…桜さわっちゃったんだ」

頭上から声

見上げると、少女の姿がある

千世「誰だ…？」

⁇「この七不思議の禁忌、忘れちゃったの？」

透き通った声で問いかけてきた

千世「禁忌って…もしかして」

⁇「真夜中に咲き誇る桜を見てしまっても、絶対に触ってはいけない…でももう遅いよね」

すっかり忘れてた

俺は桜の花に触れた

てことは…

⁇「ゆるらりゆりらゆるゆりら」

千世「は？」

⁇「私がきみのおでこに手をあててさっきの言葉を唱えたら、きみの記憶は未来の自分と入れ替わる。面白そうでしょ」

いやいやいや

全然面白くないからね⁉

千世「入れ替わるって…どういうことだよ？」

⁇「つまり、入れ替わってから次に目を開けるときみはもうおじいさん。知らない間に妻とか友達とか子供とかもできてて。でもそれまでの記憶は貴方にはない。私が持ってるから」

なんつー恐ろしいことを平然と並べるんだ、こいつ

つーかいま俺って

結構やばい感じじゃね？