デート ページ41
デート当日。
皆さんからアドバイスを受けつつ服を決め、自室で鬱先生を待っていた。
コンコン、とドアを叩く音がして「どうぞ」と促す。
「お待たせ、A…。」
鬱先生はそのまま停止する。
「鬱先生…？どうしました…？」
「A…めっちゃかわええわ…。」
「えっ…。あ、ありがとうございます…。」
鬱先生は微笑んで私に手を差し出す。
「ほんならデート、行こか？」
「はい、よろしくお願いします。」
私も笑顔を浮かべて、鬱先生の手に自分の手を重ねた。
「今日は何処に行くんですか？」
「色々考えたんやけど…今日はいろんなとこ行こうと思って。」
「いろんなところ、ですか…？」
思わず聞き返す私に鬱先生は笑顔のまま答える。
「Nakamuさん達から聞いたんやけど…A、学生の頃も寄り道とかしたことなかったんやろ？てことは、この町のことあんま知らんよな、と思って。だから、今日はこの世界…って言うと大袈裟やけど、この町のこと知ってAの好きなもの見つけられたらええなって。」
「…私の、好きなもの…。」
…確かに、私は自分で何が好きなのかわからなかった。
鬱先生や皆さんに出会ってからゲームとかうさまるとか、触れたことのないものに触れる機械があったけど…そのどれもが新鮮で楽しかった。
…同時に、私は空っぽなのだと理解した。
何も知らないから、全てが新鮮に見える。
それは、良いことなのかもしれないけど…。
「A？どしたん？」
「…いえ、何でもないです。」
駄目だ、心配かけるわけにはいかない。
笑顔で取り繕って…取り繕った、つもりだった。
「A。」
「は、はい…。」
「無理して笑わんでええで？何かあったんなら言ってほしいんよ。」
…どうして、鬱先生にはバレてしまうんだろう…。
「…ごめんなさい。私、自分が空っぽなんだって思ったら…何をしても、何を見ても新鮮に見えるので…鬱先生にとっては些細なことも、私…はしゃいじゃって鬱先生、疲れちゃうんじゃないかって…。」
私の言葉に鬱先生は一瞬驚いて。
「なんや、そんなことやったんか。あまりにも深刻そうな顔しとるから、僕…てっきりやっぱり付き合えないって言われるんかと思ったわ…。」
「そんなことないです！鬱先生は、私にとって勿体無いくらい素敵な人で…！」
その途中で、鬱先生に人差し指で口を塞がれる。
「…僕にとってのAも、そうやで。」
「え…？」
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さくらもち(プロフ) - ナズーリン推しさん» おお！そうなんですね！無事見つけていただき感謝です…！面白いと思っていただけたなら幸いです〜！ (2022年4月4日 7時) (
レス) id: 90940eb018 (このIDを非表示/違反報告)
ナズーリン推し - 前見つけて面白かった奴だ!!やっと見つけた！ (2022年4月4日 1時) (レス) @page13 id: 17274a9cd1 (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち@実況者にハマり中(プロフ) - ハレルさん» 最高といっていただけて嬉しい限りです…！完結間近なので最後までお付き合いいただけると嬉しいです…！ (2021年10月18日 21時) (レス) id: e24fa9aac3 (このIDを非表示/違反報告)
ハレル - うん。最高。 (2021年10月18日 20時) (レス) @page43 id: 58776279bf (このIDを非表示/違反報告)
もみじ - さくらもち@実況者にハマり中さん» 了解です！(`・ω・´)ゞ (2021年10月18日 0時) (レス) id: 55536975a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらもち
| 作成日時：2020年9月14日 2時
