5.体調 ページ5
「ん…。」
目が覚めて、体が怠いなと感じた。暫く体調が良かったのに、今日は頭がガンガンする。…また体調崩しちゃったかなぁ…。
「A、おはよ。…あれ、大丈夫?」
「ごめん…今日は、何か…体調悪い、かも…。」
「そっか…。最近、体調良かったんだけどな…。無理すんな、今日はゆっくり休も?」
「うん…ごめんね、きりやん君…。」
起きてるのも怠くなって、私はそのまま目を閉じた。あーあ、折角きりやん君と遊園地行けるかもしれなかったのに…ついてないな…。そう思いながら、私は意識を手放した。
次に目を覚ましたのはお昼頃だった。晴れていたはずの天気は雨に変わっていた。ああ、だから体調悪かったのか、と納得する。私は所謂虚弱体質ってやつなんだろうけど、雨の日は尚のこと体調が悪くなる。雨が降っていなくても、降る前兆があると頭痛が酷い。
「A、体調はどう?朝よりしんどい?」
「…うん…あんまり、良くはない…。」
「そうだよね、雨だもんね。」
「折角、最近体調良かったのに…。」
そう言うと、きりやん君はいつもみたいに優しく頭を撫でてくれた。嬉しいのに、きりやん君との遊園地が白紙になってしまったことが悲しくて…。思わず涙が溢れる。
「A…。」
「ごめん、ね…きりやん君…。」
不意にぐ、と体を引かれ上体を起こされる。そしてそのままきりやん君に抱き締められた。
「きりやん、く…。」
「…遊園地行けなくなったのは悲しいけど…言ったでしょ?オレはA以上に大事なことなんてないんだよ。だから、Aが元気でいてくれることが一番なんだよ。悲しいのはわかるけど、今はゆっくり休んだ方がいいよ。」
「…うん、ごめ…。」
また謝ろうとする私に、きりやん君は人差し指で私の口を塞ぐ。
「こういう時はごめんじゃないでしょ?」
「…ありがとう、きりやん君。」
きりやん君はゆっくりと私をベッドに寝かせてくれると、また来ると言って病室を後にする。さっきまでズキズキと痛んでいた頭も少しだけマシになった気がする。すごいな、きりやん君は…。私にとっての特効薬は、きりやん君かもしれない。
とは言え、完全復活とはいかない。依然体は眠気を訴えてくる。起きててもすることないし、ともう一度眠ろうと瞼を閉じた。
「…大好き、きりやん君…。」
直前まで彼のことを考えていたせいか、眠りに落ちる直前そう呟いてしまった。…その呟きを、まさかきりやん君が聞いてるとは思いもしなかった。
310人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さくらもち@実況者にハマり中(プロフ) - よしちゃんさん» ありがとうございます…!まだ四人分しか完成してないのですが、私の小説でキュンキュンしていただけのなら幸いです! (2022年1月3日 9時) (レス) id: e24fa9aac3 (このIDを非表示/違反報告)
よしちゃん - やばい、、、!読んでる間に何回キュンキュンしたことか、、、どの作品も最高ですっ!ちょっとknさんの話から全て読み直してきますねε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(^♢^)┘ (2022年1月3日 8時) (レス) @page16 id: 752f2b57a5 (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち@実況者にハマり中(プロフ) - つゆさん» kirさんは割りとすぐ決まりましたね…!コメント励みになるのでとっても嬉しいです…!5作目も頑張ります! (2021年12月30日 9時) (レス) id: e24fa9aac3 (このIDを非表示/違反報告)
つゆ - krさんバージョンきた…!やっぱkrさんの医者いいっすね〜今回も素敵な作品ありがとうございました!5人目も楽しみにしてます!頑張ってください! (2021年12月29日 22時) (レス) @page16 id: 5d979c15e9 (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち@実況者にハマり中(プロフ) - もみじさん» ありがとうございます!カフェは私のWTさん初作品なのでそう言っていただけて嬉しいです〜!私はFAで見かけたESCAPEの動画が面白くて本家を見に行った記憶があります!ついに本買えたんですね!おめでとうございます! (2021年12月29日 21時) (レス) id: e24fa9aac3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さくらもち | 作成日時:2021年12月28日 2時