12．両思い ページ12
「す、好き、って…？え、Aが、オレを…？」
「そ、そうだよ…？」
「…えぇ〜、ちょ、ちょっと待って…。マジ…？…あのさ、オレも、Aが好きなんだけど…。」
その言葉に今度は私が驚いた。
「…そう、なの…？」
「そうだよ…。じゃなかったら、わざわざ忙しい時間の合間縫ってAに会いに来ないでしょ。」
それは…そうかもしれないけど…。
「…ねぇ、A。両思いってことはさ、付き合ってるってことでいいんだよね？」
「えっ！？」
「え、違うの？」
「そうじゃなくて…いいの？きりやん君、忙しいんでしょ？」
「忙しいは忙しいけど…Aは自己肯定感が低いね？大丈夫だって、オレ、A以上に大事なことなんてないんだから。」
確かに、きりやん君はずっとそう言ってくれてたけど…。本当に、いいのかな…。
「心配性だね、Aは。」
ぐい、と体を引かれて、一瞬だけど確かに、重なった唇。
「…これで、少しは安心できた？」
「…う、うん…ありがとう…。」
その日を境に、私ときりやん君は付き合うことになった。とは言え、関係性はあまり変わっていない。私は体調こそ良い日が続くものの、根本的な治療はできてないし。きりやん君は勉強と業務とで忙しそう。けれど…。
「お待たせ、A。」
「お疲れ様、きりやん君。」
きりやん君は一日一回、必ず私に会いに来てくれるようになった。今まではあまりにも忙しい日は会えないこともあったんだけど…。
「きりやん君、無理して会いに来なくてもいいんだよ？」
「無理なんてしてないって。オレがAに会いたいの。Aだって、オレに会いたいでしょ？」
「そりゃ…会いたいけど…。」
きりやん君は忙しそうだから、無理させてないか不安になる。きりやん君が体調崩しちゃったら元も子もないし…。
「大丈夫だって。Aに充電させてもらってるし。」
そう言って私にキスするきりやん君。…きりやん君、最初の頃は照れてたのに最近当然のようにキスするようになったから、私ばっかり照れてる気がする…。
「じゃあオレ、そろそろ行くね？また会いに来るから。」
「はーい…。」
きりやん君を見送ってキスされた唇に触れる。私はこんなにドキドキしてるのに…きりやん君は余裕があって…なんか、ずるい。だから私は知らなかった。
「…はー…めっちゃ照れる…。」
キスした後のきりやん君が、扉の奥で照れてるなんて…知る由もなかったんだ。
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さくらもち@実況者にハマり中(プロフ) - よしちゃんさん» ありがとうございます…！まだ四人分しか完成してないのですが、私の小説でキュンキュンしていただけのなら幸いです！ (2022年1月3日 9時) (
レス) id: e24fa9aac3 (このIDを非表示/違反報告)
よしちゃん - やばい､､､！読んでる間に何回キュンキュンしたことか､､､どの作品も最高ですっ！ちょっとknさんの話から全て読み直してきますねε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(^♢^)┘ (2022年1月3日 8時) (レス) @page16 id: 752f2b57a5 (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち@実況者にハマり中(プロフ) - つゆさん» kirさんは割りとすぐ決まりましたね…！コメント励みになるのでとっても嬉しいです…！5作目も頑張ります！ (2021年12月30日 9時) (レス) id: e24fa9aac3 (このIDを非表示/違反報告)
つゆ - krさんバージョンきた…！やっぱkrさんの医者いいっすね〜今回も素敵な作品ありがとうございました！5人目も楽しみにしてます！頑張ってください！ (2021年12月29日 22時) (レス) @page16 id: 5d979c15e9 (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち@実況者にハマり中(プロフ) - もみじさん» ありがとうございます！カフェは私のWTさん初作品なのでそう言っていただけて嬉しいです〜！私はFAで見かけたESCAPEの動画が面白くて本家を見に行った記憶があります！ついに本買えたんですね！おめでとうございます！ (2021年12月29日 21時) (レス) id: e24fa9aac3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらもち
| 作成日時：2021年12月28日 2時
