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「ちょ、っと…薮っ!」

「何?」

「え、本気、なの…?」

「冗談だと思ってんの?」

はじめて薮に対して恐怖を抱いた。

どうしたいんだろう、俺は。

どうしたらいいんだろう。

「待って、薮…ほんとにっ…。」

こんな状況で、なんてやだよ。

頭が追い付かない。

「どうしたの、薮…。」

俺の言葉に薮は数秒停止して。

「…ただの嫉妬だってわかってるけど、ムカついて仕方ない。」

「え?」

「幼馴染みで家が隣で、学校終わってもずっと一緒で…。」

「…大ちゃんのこと?」

薮は何も言わなかったけど、多分そうなんだろうなと思った。

沈黙は肯定、って聞いたことあるような気がするし。

「でも、本当に大ちゃんとは何もないんだよ?ただの幼馴染みなんだって。」

「そう思ってるのは伊野尾だけかもしれないよ?」

「…どういう意味?」

「大ちゃんは伊野尾のこと好きかもしれないって意味。」

…大ちゃんが?俺を?好き?

「…ないわー。」

「何でそう言いきれるの?」

「…自分で言うのもあれだけど、俺めんどくさい性格してるし…大ちゃんのタイプではないと思う。」

「…大ちゃんのタイプ、きいたことある?」

そう言われればきいたことはない。

というか、大ちゃんとその手の話をしたことがない。

俺の記憶が正しければ、大ちゃんと好きな人とかの会話をしたことはない。

「大ちゃんが俺の好きなタイプを聞いたとき、逆に聞き返したことがあるんだけど…。“どっちかっていうと手のかかる方が好きかなぁ。あと、謙遜し過ぎる子はちょっと…。可愛いんだから自信持ってって思っちゃう。できれば黒髪ロングがいいかな。”…大体伊野尾に当てはまると思わない?」

「…。」

手がかかる、謙遜しない、黒髪ロング…。

「け、けど…。」

偶然ってことも…そこまで言いかけて口を閉じた。

偶然、その言葉で片付けるにはあまりにも当てはまりすぎてる。

「勿論、偶然っていう可能性もゼロじゃないけど…。大ちゃんの一番近くにいる理想は伊野尾だよね?」

…じゃあ、本当に大ちゃんは俺のことが好きで?

だとしたら、いつから?

そもそも、何で?

…もしかして、最近大ちゃんか悩んでるのって。

「…大ちゃんがそんな人には思えないけど、伊野尾のこと奪われたら困るんだよね。」

薮の顔がずい、と近づく。

「だ、だからって…。」

「…うん。無理矢理しそうになったのはごめん。…でも、できればもうちょっと大ちゃんとのつきあい方、考えてみて。」

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設定タグ:Hey!Say!JUMP , 伊野尾慧 , 薮宏太
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作者名:さくらもち | 作成日時:2017年8月14日 1時

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