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「ん…。」
あれ、いつの間にか寝てた…？
昨日、どうしたんだっけ。
確か、大ちゃんに勉強教えてて…。
…で？
「あ、起きた？伊野ちゃん、おはよ。」
「大ちゃん…。俺、いつの間に寝てた？」
「んーと、休憩終わって勉強して、いい感じの時間になって、伊野ちゃんに教えてもらってるお礼に俺がご飯作ってたら伊野ちゃん寝てた。」
「まじか、ごめん。」
「いやいや、謝るの俺の方だし…。疲れてたんでしょ、伊野ちゃん。」
疲れてた…のか？
「で、もうちょっと寝れるけどどうする？」
「ん…。目覚めちゃったしな…起きるよ。てか、シャワー浴びてきたい。」
「まだ時間あるし大丈夫じゃない？」
「パパッと終わらせてくる。」
シャワーを浴びていると、ぼんやりとしていた意識が覚醒してくる。
その内にだんだん記憶もハッキリしてきて。
さっきの大ちゃんの発言と同じ記憶がよみがえってくる。
マジで疲れてたのかな…。
「俺、いくらなんでも体力無さすぎじゃね…？」
さっさと髪と体を洗ってリビングに戻る。
「ねぇ、大ちゃん。」
「どうしたの、伊野ちゃ………服着てよ！？」
「上は着てるじゃん。」
どうせ制服に着替えるんだし、と思ってめんどくさくなった俺はとりあえずブラウスだけ着た。
「いや下も着てよ！！」
「別にいいじゃん、同性なんだし。大体裸も何回も見たことあるでしょ？」
「あるけど！！そういう問題じゃない！！」
じゃあどういう問題だよ…と思いつつスカートを穿く。
「…何？」
「当然のようにスカート穿くんだなって…。」
「自分に似合うものを着た方がいいと思わない？」
「本当に似合ってるから質悪いよね。」
「そんなに褒めなくても。」
「褒めてない。」
大ちゃんが夜ご飯として作ってくれた炒飯を朝御飯として食べて、他愛ない会話をしながら登校。
「おはよ、伊野尾。大ちゃん。」
「おはよう、薮。」
「今日の勉強会なんだけど、これ。」
薮が鞄から取り出したのはプリントの束。
「…何これ？」
俺の目が可笑しくなければプリントの枚数は20枚くらいで、一番上のプリントには“有岡大貴専用”の文字。
「大ちゃん用対策プリント。」
「え。」
大ちゃんの表情はひきつる。
「これプラステスト勉強すれば間違いなく赤点は免れる。」
「いやっ、それパッと見20枚はあるよね…？」
「これやって赤点免れるのと赤点取るの、どっちがいい？」
「…やります。」
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作者名：さくらもち
| 作成日時：2017年8月14日 1時
