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｢大ちゃん？何か言った？｣
一瞬俯いた大ちゃんはすぐにパッと顔をあげて
｢ううん？何も言ってないよ！｣
いつもと変わらない笑顔でそう言うから。
｢そっか。｣
特に気にもしなかった。
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｢今度合ったら海に沈める…。｣
案の定侑にも裕子にもからかわれ、羞恥心とイライラで自ずと口も悪くなる。
…いや、普段から割りと口は悪かったな。
｢あっ、伊野ちゃん！｣
授業を終えての昼休み。
廊下でばったり会った大ちゃんに駆け寄る。
目的地一緒だしそりゃあ会うよね。
毎日会ってるもんね。
｢大ちゃん、風磨からきいたよ。ありがとね。｣
｢へこんでる伊野ちゃんをほっとくほど冷たい人間じゃないからねー。｣
ふふん、と得意気な大ちゃんに今回ばかりは本当に感謝してる。
｢今度オムライス作るね。｣
｢やった！｣
ガッツポーズを決める大ちゃんに抱きつく。
｢い、伊野ちゃん！？｣
｢…ほんと、ありがと。大好き。｣
｢はいはい、でも抱きつくのはやめて。ていうか誰にでも抱きつくのやめなよ。｣
｢大ちゃんだけだよ？｣
仕方なく離れて、三年生の教室へと歩き出す。
…女装してるときは侑とか裕子にもやったけど。
流石に女装してないのに、女子に抱きつく勇気はない。
侑と裕子なら気にしなさそうだけど。
｢光君とか�睫擇箸�薮ちゃんは？｣
｢んー…�睫擇鷲櫃い渓�は調子乗りそうだし…まあ光ならセーフかな。｣
光は優しいよねー、頼んだのは俺だけど料理教えてくれたり。
家まで送ってくれたり。
あげればキリがない。
｢…昔は俺だけだったのにね。｣
｢大ちゃん？何か言った？｣
一瞬俯いた大ちゃんはすぐにパッと顔をあげて
｢ううん？何も言ってないよ！｣
いつもと変わらない笑顔でそう言うから。
｢そっか。｣
特に気にもしなかった。
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作者名：さくらもち
| 作成日時：2017年8月14日 1時
