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｢…風磨。｣
｢どうも、伊野ちゃん。薮君。｣
入ってきたのは3年C組菊池風磨。
ラブホリ王子こと中島健人と仲が良いらしいから関わりたくなかったなぁ…。
健人がやたらとこいつの話するから会ったこともなかったのに割りとプロフィール知ってたよ。
｢何か用？｣
｢伊野ちゃんをお借りしにきました。｣
｢頼むから帰って、土に。｣
｢辛辣ぅ。でも伊野ちゃんは俺のお願い、断れないよね？｣
それを言われると何も言い返せない…何て言うかよ。
｢残念、お前からはまだ券を見せてもらってないからそのお願いは無効だ。｣
｢券ってこれ？｣
風磨の手にはさっき薮が持っていた券…。
｢…おい薮。券の管理しっかりしとけよ…。｣
｢…。｣
薮怖いくらい風磨のこと睨んでるんだけど。
というかいつまで壁ドン体制なの。
｢あー、わかったよ。行けばいいんだろ、行けば。ということで薮、離して…。｣
正直俺としては風磨のお願い事がそれで済むならそれに越したことはない。
そう言っても、薮は微動だにしない。
｢…あの、薮？｣
と思ったら急に抱き締められて。
え？待って？はぁ？
｢…やだ。｣
おいおい、生徒会長様。
｢薮君、いい加減にしてくださいよ？｣
｢…伊野尾…。｣
｢…薮、自分で決めたことでしょ？｣
その言葉に、薮は渋々離れた。
｢ちゃんと告白の返事するから。…またね。｣
薮に手を振って、風磨と共に生徒会室を出た。
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作者名：さくらもち
| 作成日時：2017年8月14日 1時
