続)俺がヒロインやってるのはどう考えてもおかしい！Yb×In (ページ39)

今日:6 hit、昨日:6 hit、合計:57,607 hit

88 ページ39

「あー…無理…疲れた…全然わかんない…。」

「涼介ほんっとバカだよね。僕の妹をこんなバカに任せていいのか不安になってきた。」

「いくらなんでも酷い。」

山田と圭人は知念と侑に任せて、俺は大ちゃんと裕子に教えてるんだけど…。

「はぁ…圭人と裕子はそこそこ終わったのに…山田と大ちゃんだけ可笑しいでしょ？まだ基礎やってんの？100%テスト時間間に合わないよ。」

「だね。少なくとも40分には応用に入らないと間に合わない。」

「無理！基礎だけで30分は必要！」

無理って言われても…。

「まず山田と大ちゃんは時間内に終わらせるとこからだな…。」

「ちなみに三年生はどうなってるのー？」

「裕翔は応用さえ出来ればそこそこ点取れそうだから明日から応用をこなしていけば問題なさそうだけど…。光はなぁ…基礎さえできればなぁ…。」

「光そんなに基礎できないの？」

チラリと目線を光のノートに移す。

「…掛け算？」

…え、待って？

まさか基礎って…。

「…髙木は？」

まさかね、まさか掛け算ができないとかじゃないよね。

…まさかね。

現実逃避のために話題を髙木にすり替えた。

「うーん…髙木も山田と大ちゃんと一緒だな。まずは間に合わせるのが先決。」

「…何でこれ間に合うの…？薮君と伊野尾君と知念は天才なの…？」

「まあ頭が良いのは自覚してるけど天才ってほどじゃないから。」

普通なら時間内に終わるはずなんだけどな。

「はー…ごめん伊野ちゃん。家帰ってからもお願いして良い？」

「…毎年のことじゃん。」

「だよね…。ありがとう。」

完全下校時間も近付いてきたので、各々で帰り支度を始める。

「伊野尾。」

「…何？薮。」

「…お前、大ちゃんと二人きりで勉強すんの？」

「そりゃそうだけど。」

相変わらず親は帰ってこないし、他に誰か誘うわけでもないし。

「…薮？」

「…いや、なんでもない。」

「…？」

…変な薮。