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「伊野尾、帰宅部じゃん。それに今は料理部に仮入部みたいなものだし…加えてマネージャー業までやってたら体持たないだろ?」
「それは…。」
実際、キツイのはほんと。
たった一週間演技の練習をしただけで、半日眠ってしまう程体力のない俺にはだいぶしんどい。
料理部は運動部じゃない分楽なのかもしれないけど、マネージャーもやってれば意味ない。
「伊野尾の考えてること、わからなくもないけどさ…そこまでして続ける意味って何?」
意味…俺は、ほんとに薮に可愛いって言わせたいだけなのかな…。
可愛いって言わせたら、それでお終い?
俺達の関係は…どうなるの?
「…わかんないよ。…でも、薮の側にいたいのかもしれない。」
なんだかんだ、薮と出会ってからは楽しい。
いや、勿論出会う前も楽しかったんだけど…はじめて俺の女装を見抜いたから。
はじめて女装しない方が可愛いって言ってくれたから。
はじめて告白した相手だから。
はじめて…。
そんな沢山の“はじめて”が重なって、恋人とまでは行かないくても薮は、確実に俺の中で大切な人になっていったんだ。
「そんなこと言われたら告白と勘違いしちゃうじゃん。」
「…そんなわけないでしょ。」
そう、今のは告白なんかじゃない。
告白なんかじゃないけど…。
もし、この先…本気の告白をしたら、薮は受け入れてくれるのかな…?
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作者名:さくらもち | 作成日時:2017年8月14日 1時