二十六日？ ページ20
「私の…特別…？」
それは結局恋人になりたいということじゃないんだろうか。だとしたら、Nakamu君の願いは―――。
「…違うね。」
「え？」
「…Aが、生きていてくれればそれでいい。…ごめんね、A…。今までおれの勝手な都合で縛り付けて…。Aが、ただ側にいてくれるだけで満足だったはずなのに…それ以上を望んじゃった…。」
「…Nakamu、君…。」
いつの間にかNakamu君の目には涙が浮かんでいた。…ああ、こんなにも私のことを想ってくれてる人がいるんだ…。
「…仕方ないと思うよ。最初はそれだけで良かったと思ってても、その現状が続けばそれ以上を望んでしまうものだから。Nakamu君は悪くないよ。」
「…Aは本当に優しいね。A、これあげる。」
Nakamu君はポケットから何かを取り出すと、それを私の掌にのせる。
「…ブレスレット？」
「Aは気づいてるでしょ？おれ達を救えたらアイテムが貰えるって。これがおれのクリアのアイテム。…本当は、ずっと渡すつもりなかったんだけど。」
「…私を帰らせるつもり無かったんだ？」
「まぁね。Aとずっと一緒に居たかったもん。」
割と本気で言ってそうなのが怖いな。
ぎゅ、とNakamu君に抱き締められる。そしてNakamu君は優しい声で囁く。
「…ねぇ、A。…異世界転生して、またおれと出会ったら…その時は、本気でAのこと好きにさせてみせるから、覚悟してね？」
「…うん。期待してるね？」
「…それ、シャークん君にも言ってた。」
「え、えー…じゃあなんて言ったらいいの…。」
困る私にNakamu君は続ける。
「はー…これが惚れた弱みってやつかぁ…。最後に言わせて。」
「…最後、って…。」
「Aはゲームをクリアしたから。…だから、お別れだよ。」
…お別れ。わかっていたはずなのに、すごく悲しい。
「おれ、本当にAのことが好きだった。この気持ちだけは嘘じゃない。」
「…うん、ありがとう。」
「Aは？」
…私は、どうなんだろう。いや、答えは出てるはずだ。
Nakamu君のことは好きになれないって、自分で答えた。
「…ごめんね。自分の気持ちに、嘘はつけない。」
「…最後くらい、好きって言ってくれてもいいのに。…またね、A。」
最後に見たNakamu君の顔は、心からの笑顔だった。
「うん。またね。」
その言葉を最後に、私の意識は途切れた。
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さくらもち＠スランプ(プロフ) - 黒灰白有無％さん» そうですよね！？コメント欄でお見かけしたことあると思ってました…！良い意味で期待を裏切れたようで嬉しいです！ (7月4日 21時) (
レス) id: e43658e045 (このIDを非表示/違反報告)
黒灰白有無％(プロフ) - [またあの6人と過ごしたい]っていうのは何となく察してたんですけどnkmさんの事は予想外すぎました!ストーリも進む毎にドキドキして凄く面白かったです‼︎数年前にも読ませて頂いた事があったみたいで又出会えてとても嬉しかったです!此れからも応援しております (7月4日 19時) (レス) @page27 id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち＠スランプ(プロフ) - もみじさん» こちらこそ参加いただき本当にありがとうございました！そろそろEND纏めも投稿していこうと思ってるのでまた宜しくお願いします！ (2022年11月12日 16時) (レス) id: 72f95966a0 (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち＠スランプ(プロフ) - 堕天使ちーずたるとさん» 私もかなり悩みながら書いていたのですが、なんとか綺麗に終わって良かったです！こちらこそ読んでいただきありがとうございました！ (2022年11月12日 16時) (レス) id: 72f95966a0 (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち＠スランプ(プロフ) - こくとーさん» お褒めいただきありがとうございます！かなり悩みながら書いていたのでそう言っていただけて嬉しいです…！ (2022年11月12日 16時) (レス) id: 72f95966a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらもち
| 作成日時：2022年9月19日 22時
