選択肢14 BAD END ページ15
「…Nakamu君と付き合ってるよ。」
私はNakamu君と付き合ってると言うことを選んだ。これでシャークん君が救われるなら、この選択が正しいと信じて。
「…そうですか。そうですよね。…安心しました、その言葉が聞けて。」
ふっと微笑んでシャークん君はそう呟く。…この選択が正解かはわからないけど、穏やかそうなシャークん君を見て少し安心した。
「…あー…A先輩、俺、一つだけ嘘を付きました。…いや、嘘になってしまったって言い方の方が正しいですかね。」
「…？シャークん君？どういう意味…。」
「A先輩。ちょっとだけ付き合ってもらってもいいですか？」
私の言葉を遮るようにシャークん君は続ける。その瞳は私を見つめているようで、もっと遠くを見ているような気がする。怖くなって側にいるNakamu君の服の裾を掴む。
「…駄目、ですかね。Nakamu先輩も一緒でいいんで、お願いします。」
「…うん。わかった。」
断りきれずシャークん君の後ろを着いていく。着いたのは屋上。…あれ？屋上、って…。
違和感を感じたものの、シャークん君は構わず進んでいく。そして、近くのフェンスに手をかける。
「ここのフェンス、老朽化が進んでるのに誰も直そうとしないんですよ。まあ、屋上は立入禁止なんで誰も使わないんですけどね。」
「え？」
立入禁止？だとしたら此処に居るの不味いんじゃ…。でも、特に立入禁止の札なんかなかったけど…。と、視界の端に外されている立入禁止の札が見える。
「…立入禁止なら戻らない？怒られたくないし…。」
「すぐ終わるんで待ってください。」
そう言ってシャークん君はフェンスに力を込める。フェンスは簡単に壊れて、人一人なら通れそうな隙間ができる。
「ちょっ…！？学校の備品壊すのは不味いって…！」
焦るNakamu君に、依然穏やかにシャークん君は言葉を返す。
「そう、ですね。…怒られちゃったらすみません。」
イマイチ噛み合わない会話に不安感を覚える。シャークん君の足は確実にフェンスの方へと近づく。
「…これでやっと諦めきれる。」
小さく呟いてシャークん君はこちらを振り向く。
「…さようなら、A先輩。大好きでしたよ。」
止められる暇はなかった。伸ばした手は宙を掴んで、シャークん君が空を舞った。
…その後のことは、よく覚えてない。
BAD END…“それが彼にとっての救いでした。”
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さくらもち＠スランプ(プロフ) - 黒灰白有無％さん» そうですよね！？コメント欄でお見かけしたことあると思ってました…！良い意味で期待を裏切れたようで嬉しいです！ (7月4日 21時) (
レス) id: e43658e045 (このIDを非表示/違反報告)
黒灰白有無％(プロフ) - [またあの6人と過ごしたい]っていうのは何となく察してたんですけどnkmさんの事は予想外すぎました!ストーリも進む毎にドキドキして凄く面白かったです‼︎数年前にも読ませて頂いた事があったみたいで又出会えてとても嬉しかったです!此れからも応援しております (7月4日 19時) (レス) @page27 id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち＠スランプ(プロフ) - もみじさん» こちらこそ参加いただき本当にありがとうございました！そろそろEND纏めも投稿していこうと思ってるのでまた宜しくお願いします！ (2022年11月12日 16時) (レス) id: 72f95966a0 (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち＠スランプ(プロフ) - 堕天使ちーずたるとさん» 私もかなり悩みながら書いていたのですが、なんとか綺麗に終わって良かったです！こちらこそ読んでいただきありがとうございました！ (2022年11月12日 16時) (レス) id: 72f95966a0 (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち＠スランプ(プロフ) - こくとーさん» お褒めいただきありがとうございます！かなり悩みながら書いていたのでそう言っていただけて嬉しいです…！ (2022年11月12日 16時) (レス) id: 72f95966a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらもち
| 作成日時：2022年9月19日 22時
