431、貼る ページ10
涼介side
…。
「これ、どうしますかね…。」
Aから半分渡されたプリクラ。
見事に俺とAだけが映ってる。
流石に日常生活で使うものには貼れないし…何か、俺だけが身に付けるもの…。
ふと目に止まったのはスマホケース。
買ったはいいけど、正直面倒で付けてなかったんだよな…。
これなら…。
「あれ、涼介スマホケース付けたの?」
「ん、まぁ…。せっかく買ったんだし付けないのも勿体ないかな…と思って。」
「…ふーん?」
ニヤニヤ顔の知念は多分気づいてるんだろうなぁ…。
「…スマホケースに貼ったんだ?」
小声で囁かれる答え。
バレないようにスマホで隠れるとこに貼ったけどな…。
「…いつか堂々と貼れるようになるといいね。」
「…え?」
“堂々と貼れるように?”
堂々と貼れるようになる状況なんて…。
そんなの…。
「僕は応援してるよ?」
「…そりゃ心強い。」
俺がAとデートするってとき何もアドバイスしてくれなかったくせに。
まあそんな過去の話はやめとこうか。
「…いいのかな。」
「いいに決まってるでしょ?両思いなんだから。」
「…そういう問題じゃ…。」
「はぁ?何急にヘタレてんの。そういうのが涼介のダメなとこだよね。」
そんなこと言われても気になるだろ…。
「この僕が応援してるって言ってるんだよ?上手くいかなかった、じゃ許さないんだから。」
「…ん、ありがと知念。」
…付き合えるといいな。
付き合いたいな、Aと。
“仮”の関係なんかじゃなくて、正真正銘の恋人に。
ちゃんと今までの記憶のあるAと。
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作者名:さくらもち | 作成日時:2017年5月10日 18時