毒舌な甘～い執事 10 (ページ30)

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epilogue ページ30

驚いた声が出るより早く、唇が重なった。

『っ…！？』

「…ねぇ、A。俺はね、ずっと…ずっとAが好きだった。Aが思ってるよりずっとずっとAが好きだ。愛してる。

…こんな言葉、一生言えないんだと思ってた。執事って立場を呪ったこともあった。何でって…ずっと思ってた。健人に焚き付けられて、皆に助けられて…最後は、Aに言わせちゃったね。

…あーぁ、かっこ悪いね、俺。」

『…そんなことないよ。私、涼介だから好きになったんだよ。こんなところも、全部ひっくるめて山田涼介が好きなんだもん。』

「へぇ、可愛い事言ってくれるね。」

くい、と涼介に顎を持ち上げられる。

『りょ、涼介…？』

「俺ね、ずっと我慢してたんだ。執事だから、彼氏じゃないんだから…って自分に自分で言い訳して。」

『あ…の…？』

「…もう我慢する必要、ないんですね。」

…ああ、ずるい。

山田涼介が好きだって言ったのに、わざとらしく敬語なんて使っちゃって。

『どうせするなら山田涼介にされたい。』

「はぁ？わがままですね。」

『え〜、可愛い彼女の可愛いわがまままでしょ？』

「自分で可愛いって言います？まあ、滅茶苦茶可愛いですけどね。」

『…えっ。』

一気に顔が暑くなる。

「どうしたんです？もう隠しませんよ。俺の気持ち。可愛いね、A。可愛い。」

…ずるい、やっぱり涼介はずるい。

『かっ…可愛い禁止！』

ずるい、恥ずかしい、顔が暑い。

いろんな感情入り交ざって、頭も体もパンク寸前。

…でも。

『…あぁ、もう…。本当、大好きだなぁ。』

「え？いやいや、俺の方が大好きですから。」

『そういうことサラッと言うのも禁止ね！？』

…どうやら涼介の毒舌は、付き合った途端甘い台詞をはくようになったようです。