434、敵わない ページ13
『ちょっと涼介。』
「はい？どうしました？」
買い物から帰って来た涼介を自分の部屋に呼ぶ。
『プリクラ、ケータイのケースに貼ったの？』
「なんかまずかった？」
『いや、まずくはないけど…バレないようにしてよ？早速流星さんにバレてるじゃん。』
「わ、わかってますよ。俺も油断してました…。以後気を付けます。」
『ならいいけど…。』
流星さんだったから良かったけど、これが他の人だったら…人によっては面倒なことになりかねないんだから…。
…まあ、貼る場所も決められない私が偉そうに言えることじゃないけど…。
「…ところで、Aお嬢様はまだ貼ってないんですか？」
『えっ…。ま、まだ決まってなくて…。』
「確かAお嬢様もスマホケース持ってませんでしたっけ？」
涼介に言われて思い出した。
そう言われれば…。
記憶を掘り起こして、スマホケースを探しだす。
『あ、あった！』
買ったはいいけど、付けても付けなくても変わんないな〜と思って結局付けなかったんだよね…。
そんなわけでスマホケースの内側にプリクラを貼る。
ずっと悩んでたのにこんなにあっさり決まるとは…。
そんな私を見て涼介が微笑むのが見えた。
『…何？』
「いえ、俺はただスマホケースありますよね？って言っただけなのに…と思って。」
後半を濁らせたけど涼介の言いたいことは大体わかった。
つまり…。
『涼介…わざとやったでしょ？』
「さて、どうでしょう？」
つまり、あれだ。
俺はスマホケースありますよね？としか言ってないのにスマホケースに貼るなんて、俺とお揃いにしたかったんですね〜とでも、言いたいんでしょ！
悔しいけど確かに涼介の言う通りだよ！
スマホケースに貼れば？とは一言も言ってないもんね！
なんだろう、すごく悔しい。
悔しいし、恥ずかしいし。
多分いろんな意味で涼介には一生敵わないんだろうなって思う。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 74人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくらもち
| 作成日時：2017年5月10日 18時
