433、惚れた弱み ページ12
『何処に貼ろう…。』
貼らなくてもいい…それは重々承知しているけれど。
どうしても何処かに貼りたい。
だって涼介とのツーショット。
数少ないツーショット。
…好きな人との、ツーショット。
こんなのどうやったって嬉しいに決まってる。
どうしたって、何処かに貼りたい。
…そういえば。
『涼介は何処に貼ったんだろう。』
涼介のプリクラもなくなってたから何処かには貼ってるはず…。
でも…何処に?
うーん、と頭を悩ませていると意外な人からのメール。
『…流星さん?』
珍し…くもないか。
流星さんが麗奈ちゃんのことを好きなことを知ってから、よく流星さんから相談メールが来る。
と、言っても私自身恋愛経験なんてないわけだし…相談になってるのかどうかは微妙なところ。
まあ、そんなわけで頻繁に…というほどじゃないけど、一週間に一回くらいの頻度でメールが来る。
…あれ、割りと多いな。
それに、つい先日も流星さんからメールが届いたばかり。
何か進展があったとか?
様々な仮定が浮かんでは消えていく。
手っ取り早くメールを見てしまえばいいだけの話なのだが、つい頭の中でいろいろ考えてしまう。
そして、流星さんからのメールを開いた私は一気に顔が暑くなるのを感じた。
『…涼介のバカ…。』
早速バレてるじゃん…。
…何で私が恥ずかしがらなきゃいけないんだ…。
でも…。
『あー…これが惚れた弱み…ってやつなのかな…。』
…すっごい嬉しいんだよなぁ…。
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作者名:さくらもち | 作成日時:2017年5月10日 18時