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「あのサーカス、どう思う?」
「どう…と言われても…不可解な点が多いとしか言えませんね。」
Broooockさんに手を引かれたまま着いてきたカフェ。適当に飲み物と軽食を注文して、Broooockさんが話を切り出した。
「不可解、ねぇ。」
「私の考えすぎかも、と思ったんですが…Broooockさんも同じような違和感を感じてるってことですか?」
「うん。というか、違和感感じない方がおかしいでしょ。」
それはそうかもしれない。何度も言うけれど、あのサーカスには不可解な点が多すぎるんだ。
「まあ…コンセプトがどうこうって言ってたけど…それを抜きにしてもね…。」
結局コンセプトは何なんだろう。
私とBroooockさんは会話しているものの、きんときさんとシャークんさんとスマイルさんはあまり会話に混ざろうという気は見えない。
「ね〜、きんさん達もなんかないの?」
「何かって言われてもなぁ…。今日の甘い香りは気になったけど、それ以外は特に…。」
「そういえば、なんの香りだったんでしょう…。」
「…さぁな。あれも演出の一環なんじゃないのか?」
スマイルさんの呟きにBroooockさんはふるふると首を横に振る。
「んー…あれはそういうのじゃないと思うんだよね。」
「どういう意味?Broooock。」
「なんかねぇ…嫌な予感がしたんだよ。」
だからBroooockさんは口呼吸した方がいいって言ってくれたのか…。
「Broooockそんなのわかるの?」
「いや、詳しくは知らないけど…あのサーカスじゃ何が起こっても可笑しくないし。」
明らかに不穏な空気が流れ始めたので、私は慌てて空気を変えようかと話題を探した。
「…あ、案外、もっと簡単な理由かもしれませんよ?」
「え?」
私の言葉にBroooockさん始め全員が驚く。
「例えばですけど…人を笑わせるのが好きで、その延長線上、とか…。」
自分でも何を言っているのかよくわからなかったけど、皆さんの暗い顔を見ていられなかった。なんとか明るい話題に変えようと、気づけばそんな言葉を発していた。
一瞬の間をおいて皆さんが吹き出す。
「はは、何それ〜。そんな理由だったらいいね。」
「確かに、それなら大歓迎かもね。」
サーカスの考察?のために集まったけど、結局それ以降話が進むことはなかった。Broooockさん達とも連絡先を交換して、その日は解散になった。
うーん…あのサーカスの謎が解ける日は来るのかな…。
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さくらもち@スランプ(プロフ) - さくらさん» ありがとうございます!ハッピーエンド驚異の不人気だったので気に入っていただけたようで何よりです!今後とも頑張ります! (2022年11月26日 22時) (レス) id: 72f95966a0 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 私は個人的にはhappy endが好きです!全部好きですけど,,ね,やっぱりきんさんしか勝たん!さくらもち先生の小説はどれを読んでも面白いです!これからも楽しみにしてます! (2022年11月26日 18時) (レス) @page29 id: db87cb1f04 (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち(プロフ) - 萌木さん» めっちゃ褒めていただきありがとうございます…!この作品を書き始めたときからendは何種類か用意しようと思っていたのでそう言っていただけて嬉しいです!こちらこそ読んでいただきありがとうございました! (2022年8月23日 23時) (レス) @page24 id: 90940eb018 (このIDを非表示/違反報告)
萌木 - 一言で言って凄い好き。endのパターンが何個かあるの好き。個人的にはMerry BAD ENDが好き。今までを捨てて、新しい道へ歩んでいく感じが凄い好きです。こんな作品を書いてくださって本当にありがとうございました。 (2022年8月23日 18時) (レス) @page29 id: 7b477ee6df (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち(プロフ) - すみれいんさん» 喜んでいただけたようで何よりです〜!こちらこそ読んでいただきありがとうございます! (2022年8月22日 7時) (レス) id: 90940eb018 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくらもち | 作成日時:2022年7月21日 2時