four ページ4
「何処に座ればいいんだ？」
「席は特に決まっておりません。お好きな席にどうぞ。」
緑目の男性の質問に答えたのはNakamuさんだった。
…好きな席？劇場内はかなり広いが、お客さんは私達以外にいないように見える。
「…あの、他のお客さんは…。」
質問の途中でNakamuさんは口を開く。
「他のお客様ですか？いえ、皆様以外のお客様はいませんよ。」
当然のようにそう言われ混乱に拍車が掛かる。私達以外にお客さんはいない？こんなに広いのに、たった5人しかいないのに？
「きんさん、どこ座る〜？」
「真ん中らへんでいいんじゃない？他にお客さんいないらしいし…。」
きんときさんの隣に茶髪青目の男性、茶髪に紫目の男性、黒髪に緑目の男性の順に座る。私はどうしようかと悩んでいると、きんときさんに手招きされる。
「良かったらおれの隣どうぞ。」
「…ありがとうございます…。」
断る理由もないし、さっき自己紹介してくれたおかげか、きんときさんに対する恐怖心はあまりない。見た目からして優しそうだし。
「あれ〜？きんさんもう仲良くなったの？」
「仲良く、というか…此処、ちょっと不気味じゃない？女性一人だし不安じゃないかなって。」
「確かに〜、僕でも怖いもん。って、勝手に話しちゃってごめんね？僕はBroooock、今日限りの関係かもしれないけど、よろしく〜。」
緩い話し方で張り詰めていた空気が少し緩んだ気がする。
「一応紹介すると、こっちの茶髪がスマイル。で、向こうの黒髪がシャークんね。」
「はぁ…。えっと…Aって言います。」
「Aさんか、よろしくね。」
笑顔できんときさんはそう呟く。少し安心すると同時に劇場の電気が消える。
「Ladies and Gentlemen！お集まりの紳士淑女の皆様、今宵はDAYDREAM CIRCUSへのご来場、誠にありがとうございます。」
目の前の壇上にスポットライトが当たり、きりやんさんがマイクを使ってそんな言葉を並べる。…お集まりの紳士淑女の皆様、って…5人しかいないんだけどな。それに、演出上とはいえ、まだ今宵って言うには明るすぎる。
「それでは、開演です！」
その言葉と共にきりやんさんと入れ替わるようにNakamuさんが舞台に出てきて、一礼する。Nakamuさんの手にはジャグリングで使うようなピン(という言い方が正しいのかはわからない)。
予想通りというか、Nakamuさんはそのピンを使ってジャグリングを披露する。純粋にすごいと思い拍手を送る。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 283人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さくらもち＠スランプ(プロフ) - さくらさん» ありがとうございます！ハッピーエンド驚異の不人気だったので気に入っていただけたようで何よりです！今後とも頑張ります！ (2022年11月26日 22時) (
レス) id: 72f95966a0 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 私は個人的にはhappy endが好きです！全部好きですけど，，ね，やっぱりきんさんしか勝たん！さくらもち先生の小説はどれを読んでも面白いです！これからも楽しみにしてます！ (2022年11月26日 18時) (レス) @page29 id: db87cb1f04 (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち(プロフ) - 萌木さん» めっちゃ褒めていただきありがとうございます…！この作品を書き始めたときからendは何種類か用意しようと思っていたのでそう言っていただけて嬉しいです！こちらこそ読んでいただきありがとうございました！ (2022年8月23日 23時) (レス) @page24 id: 90940eb018 (このIDを非表示/違反報告)
萌木 - 一言で言って凄い好き。endのパターンが何個かあるの好き。個人的にはMerry BAD ENDが好き。今までを捨てて、新しい道へ歩んでいく感じが凄い好きです。こんな作品を書いてくださって本当にありがとうございました。 (2022年8月23日 18時) (レス) @page29 id: 7b477ee6df (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち(プロフ) - すみれいんさん» 喜んでいただけたようで何よりです〜！こちらこそ読んでいただきありがとうございます！ (2022年8月22日 7時) (レス) id: 90940eb018 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくらもち
| 作成日時：2022年7月21日 2時
