two ページ2
「…。」
家に帰ってからピエロの男性から貰ったチケットを眺める。本当にDAYDREAM CIRCUS、8/5:10時開演としか書かれていない。スマートフォンで検索してみたが、それらしい情報も見つからない。
行くべき…なんだろうか。再三言うがサーカスに興味はない。しかし、折角貰ったのを無駄にするのも勿体ない。ただ…。
「何で私…？」
そこが気になって仕方ない。あの男性が客引きしていたとして、だ。何故あんな時間に、あんな格好で、あんな場所で…？
仮に近くにサーカスができたのだとする。ピエロの格好は宣伝になるだろうけど、客引きするならもっと明るい時間帯に、もっと人通りの多いところでやった方がいいんじゃないだろうか。その方が人目を引くし、お客さんも集まるだろうに…。
モヤモヤする気持ちを抑えつつ、チケットをテーブルに置く。8月5日。幸か不幸か、予定はない。
「…行くだけ行ってみようか。」
もしかしたらこれを切っ掛けにサーカスに興味が湧くかもしれない。趣味と言えるようなものはないし、折角もらったんだし…。チケットを鞄に仕舞い、そう考えて眠りについた。
次の日はいつも通りの日常を過ごして、急ではあるが5日はお休みをいただいた。
「…此処、かな…。」
8月5日。私は道路に貼られているポスターの地図を頼りにサーカスへと辿り着いた。疑っていたわけではないが、本当にこんなところにサーカスがあったのかと少し驚いた。そして、私が驚いた理由はもう一つ。
そこには私と同じようにチケットを持った四人の男性がいた。お互い知り合いなのだろうか、私が来るまで四人で話していたようだ。何か言うべきかと迷っていると、黒髪に青目、そして泣き黒子が特徴的な男性が話しかけてきた。
「君もチケットを貰ったの？」
「はい…。」
嘘をついても仕方ないし、男性の質問に素直に答える。隣に居た茶髪に紫目の男性がため息交じりに呟く。
「一体何なんだ此処は…。」
「何…って、サーカスじゃないんですか？」
私の質問に今度は茶髪に青目の男性が答えた。
「僕達、昔からこの辺に住んでるんだけど〜、サーカスが出来たなんて初めて聞いたんだよ。それに…営業してるようには見えないよね。」
言われて気づいた。サーカスのテントは汚れており、看板も古びている。電球も切れかけているし…お世辞にも綺麗とは言えない状態だった。
「…でも、このチケット…。」
「お集まりの皆様！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 283人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「実況者」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さくらもち＠スランプ(プロフ) - さくらさん» ありがとうございます！ハッピーエンド驚異の不人気だったので気に入っていただけたようで何よりです！今後とも頑張ります！ (2022年11月26日 22時) (
レス) id: 72f95966a0 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 私は個人的にはhappy endが好きです！全部好きですけど，，ね，やっぱりきんさんしか勝たん！さくらもち先生の小説はどれを読んでも面白いです！これからも楽しみにしてます！ (2022年11月26日 18時) (レス) @page29 id: db87cb1f04 (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち(プロフ) - 萌木さん» めっちゃ褒めていただきありがとうございます…！この作品を書き始めたときからendは何種類か用意しようと思っていたのでそう言っていただけて嬉しいです！こちらこそ読んでいただきありがとうございました！ (2022年8月23日 23時) (レス) @page24 id: 90940eb018 (このIDを非表示/違反報告)
萌木 - 一言で言って凄い好き。endのパターンが何個かあるの好き。個人的にはMerry BAD ENDが好き。今までを捨てて、新しい道へ歩んでいく感じが凄い好きです。こんな作品を書いてくださって本当にありがとうございました。 (2022年8月23日 18時) (レス) @page29 id: 7b477ee6df (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち(プロフ) - すみれいんさん» 喜んでいただけたようで何よりです〜！こちらこそ読んでいただきありがとうございます！ (2022年8月22日 7時) (レス) id: 90940eb018 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくらもち
| 作成日時：2022年7月21日 2時
