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「伊野尾?きいてる?」
「薮っていっつもそうだよね。」
「…え?」
不意に口をついて出た言葉。
「薮はいつもいつも俺の事第一に考えてくれる。それはすごく嬉しいよ。でもさ、なんでそこまで俺の事考えてくれるの?俺、友達だよ?それ以上でもそれ以下でもないのに…なんでそんなに優しくしてくれるの?」
「…なんだよその言い方。俺に心配されるのは迷惑ってこと?」
俺…今、とんでもないこと言ったんじゃ…?
「ちっ、違…ごめん…薮…。」
薮の、冷たい目を初めて見た。
「薮…?」
「俺は伊野尾のことを想って行動してた。それが間違いだったなんて思ったことない。…全部、迷惑だった?」
「迷惑なわけ…!」
その時、俺は思い出した。
…このまま、嫌われたらいいんじゃないかって。
どうせ、俺はもう少しで転校する。
別れるのが辛いなら、嫌われちゃえば―――。
「どうなんだよ。」
「…そうだよ?」
びっくりするぐらい、冷たい声だった。
自分の声じゃないみたい、ううん、自分の声なのかと疑うほどに冷たかった。
「…ならそう言えばよかったのに。」
「…そう言えばよかったって…そっちが俺に関わってきたんでしょ?迷惑もいいところだよね。」
心にもないことを言うたび、胸が痛んだ。
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さくらもち@Cherry blossom(プロフ) - ゆづさん» コメントありがとうございます!面白いと言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります!応援ありがとうございます! (2017年7月27日 6時) (レス) id: bd93821e26 (このIDを非表示/違反報告)
ゆづ(プロフ) - とっても、面白いです!続きがとても気になります!!これからも頑張ってください!!応援してます! (2017年7月23日 12時) (レス) id: c2425c0009 (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち@Cherry blossom(プロフ) - 美声猫さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて本当に嬉しいです!頑張ります! (2017年5月21日 23時) (レス) id: bd93821e26 (このIDを非表示/違反報告)
美声猫 - さくらもちさんの作品大好きです!特にこのお話が好きなので更新頑張って下さい!! (2017年5月21日 21時) (レス) id: 98a7412603 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくらもち | 作成日時:2017年2月18日 23時