《WT》どっかでみたことあるような6人が怪奇現象に巻き込まれる話〜学校編〜

場面転換 ページ26

「スマイル！」

保健室の扉を開けると同時に飛んでくるカッター。

「…え？」

オレときんときすれすれを通り抜けるそれを投げたのは、間違いなくスマイルで。

「遅かったな、二人とも。」

「何してるの…？」

「何って…。ああ、ネタバラシがまだだったな。お前らをこの世界に呼んだのは俺なんだよ。」

その言葉できんときは気づいたらしい。

「…まさか、とり憑かれてる…？」

「あはっ、大正解だよ、おにーさん。」

スマイルは保健室にあるものをふわりと浮かせて、オレときんとき目掛けて投げ掛けてくる。

「…精々逃げ回って俺を楽しませてよ？…その後は、じっくり痛め付けさせてもらうから、さ。」

いや、焦る必要はない…清水ぶっかければ良いだけの話だ。この前の病院の時はオレが水浸しになったし…うん、今回はスマイルだってだけだ。

「そう簡単にやられるかよっ！」

オレは片手で清水の瓶の蓋を開け、スマイルにぶっかける。

「スマイル！」

清水をかけるとほぼ同時にスマイルが倒れこむ。

「大丈夫か、スマ―――っ！？」

スマイルを支えようと右足を踏み出したとき、左足に激痛がはしった。

「…な、きんと、き…？」

振り向いた視線の先には笑顔でカッターを持ってるきんとき。そのカッターから血が滴り落ちてる。

「危ないなぁ…危うく除霊されるとこだった。」

「っ…！」

その言葉で察した。

なるほど、清水をかける直前にスマイルからきんときに乗り移ったのか。いや、感心してる場合じゃない。…この状況は、非常にアウェーだ。スマイルをかばいつつきんときと戦うのは難しい。

「あはは、形勢逆転、って感じ？僕が彼の霊力を取り込んでなきゃもっと簡単だったかもしれないのにね〜。」

形勢逆転…確かにその通りだ。さて、どうしたものかな…。

視線を落として視界に入ったものに、オレは思わず笑みを浮かべた。

「あれ？何笑ってんの？絶望で頭可笑しくなっちゃった？」

「…いや、ヒーローは遅れてやってくるもんだなって。」

「は？何言って…。」

オレときんときの間を横切った何か。これを撃てるのは…。

場面転換→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す