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「……うっかり死んだりしたら、あの世にまで化けて出るよ」
「俺は死なない。あんな思い、もう母さんにも、……お前にも、させる気は無い」
「その言葉を信じて、いつでも待ってるから。私にもできることがあれば、ちゃんと頼ってよね」
たかが女子高生、されど女子高生。私にもきっと、何かしら、役に立てることがあると思いたい。
しばらくして、京介の家の前まで辿り着く。それじゃあ、と片手を上げて去ろうとする京介を、襟首引っ掴んで捕らえた。苦しげな声を上げる無様に笑いながら、今度は袖を引っ張って先導する。
「うちに来なよ。で、夕飯食べてけ」
「……大丈夫なのか？」
「どうせ私も一人だし」
密かに磨いた料理の腕、発揮するなら今しかないだろう。
「何食べたい？ 買い出し手伝ってもらうけど。……京介？」
返答を求めて見上げると、京介はなんだか意外そうな顔で私を見ていた。
「お前……俺のこと好きだったっけ？」
「それは恋愛的な意味で？」
「いや、普通に」
「嫌いだったらここまでしないよ。え、嫌ってると思われてた？」
「そういうわけじゃないが」
人好きする性格でもないという自覚がいくらかあるのだろう。で、久々に真っ直ぐな好意を向けられて動揺したか。なんて健気な。
「心配しなくたって大好きだよばかやろー！」
「わっ、ちょっ、やめろって!!」
手を伸ばして、大型犬でも撫でるみたいに髪をぐしゃぐしゃにする。ぶつぶつ文句を言う京介だが、いつもは涼し気な切れ長の目元は仄かに赤らんでいた。
「ほら、置いてくよ」
「それはお前が、っておい、本当に置いてく奴がいるか！ 待て！」
手ぐしで髪を整えていた京介が慌てて駆けてくる。結構頑張って走ったんだけれど、京介も伊達にヒビキさんに鍛えられていないので、あっという間に追いつかれてしまった。
肩で息をする私と、余裕そうな京介。すっかり逆転されちゃったな。私も鍛えた方がいいのかしら。
「馬鹿じゃねえの」
「返す、言葉も、ないわ……」
顔を見合わせて、同時に吹き出した。
スーパーはもう目の前である。
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深月(プロフ) - 横峯俊さん» お久しぶりです、まだ見てくださっていたのですね……！励みになります、ありがとうございます (2021年7月23日 9時) (
レス) id: 48437a73d0 (このIDを非表示/違反報告)
横峯俊(プロフ) - いつも拝見させていただいてます。いつまでも、更新は待っています！ (2021年7月20日 18時) (レス) id: e7388357bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水記 | 作成日時：2020年8月13日 20時
