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意味は分かるだろう？ その理論で行くならば私は君のものだし、君は私のものだってことだ。
嗚呼、ついに君と真の意味で対等になれた。
「はぁ……まだ気にしてたのか、ソレ」
「うるせ、私にも色々あったんだよ」
生まれながらに傑出した王の力を持っていた君と、君に偶然救われて気に入られただけの自分と。二人で泥沼を這い上がって、坂道を駆け上がって、蹴落とされて。その過程で……まあ、軽蔑や妬みも受ければ自己嫌悪にも陥る。結局そいつらも見下すことで割り切って、不名誉はこの手で蹴散らして解消したが。ティードに見初められるだけの私の力、舐めてんじゃねえよと。そんなこんなで魅せ方だけはやたら上手くなった気がする。
それらの一部始終を見ていたティードも、何やら思うところはあったのか、小さく舌打ちした。格好とは裏腹に言葉遣いも動作も比較的上品なティードにしては、珍しい暴挙である。
「悪いね、嫌なこと思い出させたか」
「こっちに来る前に奴らを皆殺しにしておくべきだった。大した実力もないくせにぴいぴい喧しく囀る愚か共が」
苛立ちを隠そうともせず吐き捨てるティードにくつくつと笑う。自分の所有物を傷つけられてご立腹か、そりゃまた有難い。が、どうも気に食わんな。
「言っただろ、お前以外どうでもいいって」
そんなくだらないことにリソース割いてんじゃねえよ。私の隣で笑ってろ、私の為なんて名目で不愉快な思いをする必要はない。
「あぁ、そうだったなァ……」
白いメッシュの入った髪をかきあげて、ティードがため息混じりに笑う。形の良い唇を挑戦的に吊り上げて。同時に目が猫のように三日月に細められて──息を呑んだ。ギラギラと鋭利な光を湛えた瞳は、愛しいと、確かにそう物語っていたから。心臓の中央を寸分の狂いもなく射抜かれた心地がした。
「俺の隣で笑え、A。お前だけにそれを許す」
「……うわ、すっげえ殺し文句」
ティードの口からそんな言葉が聞けるなんて、夢にも思わなかった。そして、うれしい、だなんて単純な感情にまで翻弄される日が来ようとは。できれば私の隣で、って情けなくも日和った私への、完璧なアンサー。文字通りの殺し文句だ、本当に、ずるい男。
「返事は？」
飛び跳ねたり収縮したりと、忙しなく響く心臓にてのひらを翳す。この鼓動が尽きる瞬間まで、いつだって永遠に。
「Always」
Foreverより確かな言葉を、君に贈ろう。
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深月(プロフ) - 横峯俊さん» お久しぶりです、まだ見てくださっていたのですね……！励みになります、ありがとうございます (2021年7月23日 9時) (
レス) id: 48437a73d0 (このIDを非表示/違反報告)
横峯俊(プロフ) - いつも拝見させていただいてます。いつまでも、更新は待っています！ (2021年7月20日 18時) (レス) id: e7388357bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水記 | 作成日時：2020年8月13日 20時
