愛し愛され英国紳士！その24

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『雄也兄さん、今入って大丈夫？』

『いいぞ、圭人も起きてるけど静かにな』


控えめに一つの部屋をノックして、俺達三人はお土産片手にその部屋へと入る。


『ただいま圭人』

「おかえりぃ」


ヘニャと、ベッドの上で笑うのが最年少の圭人

そのおでこには冷えピタが貼られて、チラリと見えた腕には注射の跡が沢山、痛々しく残っている………


俺達兄弟の中で、圭人は一番病弱だ。

圭人の担当医からは、何度も産まれたこと事態が奇跡、なんて言われるほど圭人はお腹の中にいたときから既に身体が弱かった

それは、生まれてからもで、今までに何度も圭人は危ない橋を渡りかけている


そんな圭人は、生まれてから自分で外に出れたことはない

出れたとしても、病院に連れて行く時の車に乗せる程度で、それ以外じゃほとんどベッドの上………もしくは調子が良くてリビングのソファーの上だ

圭人は、自由に走り回ることが許されない………

それをしたら最期、圭人の命に関わってしまうから………


誰よりも痛い注射に耐えて、なのに圭人はちょっとの自由すら許されない


だから、俺たちは毎日圭人へお土産を持って帰るんだ


『はい、圭人！』

「わぁ！きれー！」

『ほら、圭人これなら美味いぞ』

「サクサク！おいしい！」

『圭人見てごらん、これ飛行機雲って言うんだよ』

「くもさんがせんになってる！すごいすごい！」


俺達にとっては当たり前のこと………。
でも、それは圭人には全部キラキラして見えて、だから今日も俺達は圭人にお土産を持って帰るんだ


いつか………


いつか、圭人がその目でその足で見れることを信じて………


(今日もお土産を持って帰る)


おしまい。


けいとのひとりごと何度も見返してます……！可愛い……！

作品をお気に召してもらえたら嬉しいです！

例えそれが短い間だとしても（ゆとけと）由真様リク→←今日も僕たちはお土産を持って帰る(圭人愛され)岡本ことり様リク

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