. ページ9
『んで？これのどれでも食っていいの？』
そう言って、風磨君は近くにあったフォークをヒョイと手に取ると………
なんと、私が作ったショートケーキを食べ始めたのだ。
キャー！と手を取りあう松島君とマリウス君をよそに、風磨君はあっという間に私の作ったショートケーキをたいらげたのだ。
『ん、まあウマイじゃん
これ作ったのまっしま？マリ？』
「え、あ、あのワタシデス………」
おおっと、思わずカタコトになってしまったけれど、だってビックリしたんだもん！
風磨君が私の作ったケーキを全部食べてくれたから………
『へぇ………まあ、悪くなかった』
「あ、ありがとございますスキデス」
『へえへえ
あ、また気が向いたらでいいから何か作ってよ
今度は部活終わりにくるかもだから、そん時は軽くつまめるのがいい』
「う、うん！」
じゃあな、ってヒラヒラ手を後ろに振って家庭科室を出ていく風磨君
数秒後、私とマリウス君に松島君でやったぁ！と思わず万歳三唱をしてしまった。
だって、初めてだったんだから
好きな人に食べてもらうのって
好きな人に、自分が作ったご飯を食べてもらうなんてこんなに嬉しいことだって知らなかった
『よーし！次は風磨君が好きな僕のママのお好み焼き作ろう！』
『マリママのお好み焼きすっごく美味しいんですよ！』
「ほんとに！？じゃあマリウス君のママに弟子入りして美味しいお好み焼きの作り方覚える！」
好きな人の好物を知るのがこんなに愛しい事だなんて思いもしなかった
だって、本当は私家庭科部にもましてや料理もお裁縫も覚えるつもりなんてなかったの
「ただいま………」
『お帰りAさん』
「あ、叔母様こんばんは」
『あなたちゃんとお料理の勉強しているの？
ほら、これが相手の好きな料理一覧ですから結婚までにしっかり覚えるのよ
お裁縫もね！貴方にはもう時間が無いんだから』
差し出された紙に並ぶ料理の名前
そのどこにも風磨君の好きな料理は載っていない………
好きじゃない人に食べてもらう料理って、きっと美味しくないかもしれない
だって、そこには愛なんて入っていないから………
(美味しい秘訣は愛があるから)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 590人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
のえる - すごく可愛らしい作品で好きでした！とっても続きが気になる作品なので、もしまた書いてくださったら嬉しいです！ (2021年5月29日 23時) (
レス) id: 8fc4483935 (このIDを非表示/違反報告)
さーちゃん - 続き楽しみにしています (2019年6月22日 15時) (レス) id: e630b2a50b (このIDを非表示/違反報告)
おはる(プロフ) - ☆さん» ご指摘ありがたいです！ (2019年5月21日 10時) (レス) id: b11b42f1fd (このIDを非表示/違反報告)
おはる(プロフ) - あいさん» ありがとうございます！亀更新ですが頑張ります！ (2019年5月21日 10時) (レス) id: b11b42f1fd (このIDを非表示/違反報告)
☆ - ページ8【WAO！】→WOW、 ページ9【ってヒラヒラ手を後ろ手に振って】→後ろで振って だと思います。 (2019年5月18日 6時) (レス) id: 44d28ad2ed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おはる
| 作成日時：2019年4月15日 16時
