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「本当さ、俺を驚かせるのが得意だよね」
ソウゴの言葉にぱちりと目を開いて首を傾げたAを、ソウゴは慈しみを込めた瞳で見つめた。
手に取ったペンダントを太陽にかざして、微かに口元を緩めた後、そっとそれを首にかけた。
「あはは、何その顔。大丈夫、すっっごく嬉しい」
かけたペンダントを持ち上げながらそう言ったソウゴを見て、Aの心臓が僅かに拍動を早めた。すぐに収まったそれに首を傾げながら、Aは頰を緩める。
通りすがりの老夫婦に、「若いって素敵ねぇ」などと声をかけられてさえいなければ、その場の雰囲気でうっかり…なんてことがあったかもしれないが。事はそう上手くは運ばないらしい。
ソウゴは残念だと思う反面、どこか安堵している自分に苦笑して、少し待っててという言葉を残し中へ入っていった。
再び顔を出した彼の手には四枚の手紙がついた箱が握られている。
「これ、みんなから。それつけて、俺たちと同じ時間刻んでね」
「…ソウゴくんってそういうキザっぽいこと言えるんだ」
しみじみといった様子でそう呟いた彼女の頭を雑に撫でて、ソウゴはそれを手渡した。受け取った箱についた手紙にソウゴからのものは無く、Aは困惑の色を浮かべて彼の目を見つめた。
ソウゴはというと、Aを見つめ返しながら、後ろ手に隠したものをいつ渡そうかと思案していた。さらりとやってのけた彼女に感心ながら、後一歩踏み出す勇気を心の何処かに探して。
唇が、声が震えたのは、この行為が彼の中で相当な覚悟を要するものだったから。付き合いの長い彼だから、とAが個別にプレゼントをしたのとは似て否なるものと言えば分かるだろうか。
「……で、これは俺から」
「返品は受け付けてません」_____手渡された大きめの袋に、Aはソウゴと袋を交互に見遣る。その瞳に耐えきれず、へらりと作った笑みで羞恥心を誤魔化した。
Aは持ち手に下げられた手紙を見て、恥ずかしげに眉を落としながらも隠せない喜びに頰を綻ばせた。「中、見てもいいよ」という彼の声に少し躊躇いながらそっと中を覗く。
以前、自身の私服をこれ以上ないというくらい褒めちぎった後、ぽそりと独り言ちた彼女をしっかりと覚えていたらしいソウゴは、同じデザインのものを贈ろうと前々から思っていたらしい。
それで彼女が喜んでくれるのなら嬉しいし、俺色に染めたみたいでなんかいいな、と。これを口実にデートできればという少々の欲も込めて。
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星野よだか(プロフ) - ヤマダノオロチさん» ありがとうございます。詩島剛はてえてえの塊…。不定期ではありますが、これからも細々と続けていきますので、見かけた際には立ち寄ってみてくださいませ！ (2020年3月23日 21時) (
レス) id: 61486b168d (このIDを非表示/違反報告)
ヤマダノオロチ(プロフ) - 更新お疲れ様でした！相変わらず詩島剛てえてえです（´-`）。色々と大変な時期ですが、また星野さんのお話を読めるの楽しみにしてます！ (2020年3月15日 21時) (レス) id: 20ed7c05bd (このIDを非表示/違反報告)
星野よだか(プロフ) - ツキノワ。さん» こちらこそ、随分と遅くなってしまい申し訳ございませんでした！せっかく素敵なお題をいただいたのに上手く纏まらずお待たせすることになってしまい…。こんな私ですが、これからもお読みいただければ幸いです〜！ (2020年2月16日 1時) (レス) id: 61486b168d (このIDを非表示/違反報告)
ツキノワ。(プロフ) - あぁぁぁ……めっっっちゃ素敵でした……リクエストを書いていただけただけでもとてつもなく嬉しいのですが、流石星野さんで、ずっとはわはわしながら見てました……！良かったです！！！本当にありがとうございました！ (2020年2月15日 22時) (レス) id: 90ddd0d9c3 (このIDを非表示/違反報告)
星野よだか(プロフ) - ヤマダノオロチさん» そっ、そんな……くっ、この遺言、しっかり伝えておきますからね……っ(( (2019年12月24日 23時) (レス) id: 61486b168d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星野よだか(ほしのよだか) | 作者ホームページ：なし
作成日時：2019年9月27日 0時
