密着！接着！二十四時！前半戦 ページ21
「んー、ねえねえ門矢くん、これ何？」
「…海東のものには極力触るな」
怪しいものが多すぎる、と吐き捨てて士は面倒そうにそれを放り投げた。触るなと言われたばかりなのに、Aは地面に打ちつけられた何かを拾いじっと眺める。
「接着剤…？」
「不良品っぽいがな。概要欄に書かれた事はめちゃくちゃだし、海東のことだ、どうせ碌なもんじゃない」
「相変わらず海東くんに当たりが強い…。でも、確かに不良品っぽいかも？中身出ないし」
確かめるように二、三度振ってみるがそれらしき音はしない。なぜかと首を傾げたAだったが、面倒ごとになる前に置いておけ、と士に言われ、大人しく言うことを聞いておこうと接着剤の蓋を閉め直した。
「士にA、ここで何をしてるんだい？」
「ひっ！？」
不意に後ろから海東に声を掛けられ、思いきり接着剤を握り締める。途端、勢いよくチューブから液体が溢れ、Aの手に付着した。
「え」
「は？」
接着剤が手に着いた瞬間、見えない力で引きずられるようにして士とAの手が引っ付く。突然のことに二人は目を白黒させて唖然とし、海東はあから様に機嫌を悪くして顔をしかめた。
「何これ…」
「…離れないんだが」
士が手を離そうとしてもがっちりと繋がったまま離れる気配はない。それどころか、離そうとする度に指と指が絡まっていく。
「…キミたちは僕に見せつけたいが為にそんなことをしてるのかな？」
「ち、ちが！なんか、手が勝手に！」
「おい、A。何だこれ」
「ひぃぃぃごめんなさい門矢くん！」
両サイドから謎の圧力をかけられ、Aの胃がキリキリと悲鳴をあげる。実際のところ士の内心はある意味で穏やかでは無かったのだが、そんなことをAは知る由もない。
「おい海東、あの接着剤は何だ」
「ああ、あれかい？あれはウィザードの世界でついでに盗んだもの…で…」
徐々に青ざめていく海東に嫌な予感を察知し、士が接着剤を拾いあげる。Aが横から覗き込み二人で目を通す。支離滅裂だと思われた概要欄だが、その内容は強ち間違いでは無かったらしい。
「魔法、の…接着剤？」
Aの呟きを聴き、士が側面に目を滑らせた。その文字の下に小さく書かれた説明文がある。読んだ瞬間、士の目が死んだ。
「接着剤を塗ると一番近くにいた人と離れなくなる。効果は一日…ふざけてるのか？」
「本当にごめんなさい…」
「いや、この場合は海東が悪いだろ」
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星野よだか(プロフ) - ヤマダノオロチさん» ありがとうございます。詩島剛はてえてえの塊…。不定期ではありますが、これからも細々と続けていきますので、見かけた際には立ち寄ってみてくださいませ！ (2020年3月23日 21時) (
レス) id: 61486b168d (このIDを非表示/違反報告)
ヤマダノオロチ(プロフ) - 更新お疲れ様でした！相変わらず詩島剛てえてえです（´-`）。色々と大変な時期ですが、また星野さんのお話を読めるの楽しみにしてます！ (2020年3月15日 21時) (レス) id: 20ed7c05bd (このIDを非表示/違反報告)
星野よだか(プロフ) - ツキノワ。さん» こちらこそ、随分と遅くなってしまい申し訳ございませんでした！せっかく素敵なお題をいただいたのに上手く纏まらずお待たせすることになってしまい…。こんな私ですが、これからもお読みいただければ幸いです〜！ (2020年2月16日 1時) (レス) id: 61486b168d (このIDを非表示/違反報告)
ツキノワ。(プロフ) - あぁぁぁ……めっっっちゃ素敵でした……リクエストを書いていただけただけでもとてつもなく嬉しいのですが、流石星野さんで、ずっとはわはわしながら見てました……！良かったです！！！本当にありがとうございました！ (2020年2月15日 22時) (レス) id: 90ddd0d9c3 (このIDを非表示/違反報告)
星野よだか(プロフ) - ヤマダノオロチさん» そっ、そんな……くっ、この遺言、しっかり伝えておきますからね……っ(( (2019年12月24日 23時) (レス) id: 61486b168d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星野よだか(ほしのよだか) | 作者ホームページ：なし
作成日時：2019年9月27日 0時
