ちいこリドルと暮らす話。【ツイステ】 (ページ9)

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あんな出会い方をしたから、リドルが魔法の国の住人

だという事実を、すんなりと受け入れてしまった。

いやあ、不思議なこともあるもんだ……。

それがわかった以上、無計画に街を歩き回るのは

意味が無いので、大人しく我が家に帰宅することにした。

しばらくうちで、保護しておくしかないよなあと

ぼんやり考えていると、リドルと繋がった右手が

ぐん、と引っ張られる。

「？」

立ち止まったリドルの視線の先には

ショーケースに並ぶ色とりどりのケーキがあった。

「ケーキ、買ってこうか？」

声をかけると、余程夢中になってたのか

ぴくりと触覚を跳ねさせて驚いた。

しかし直ぐに申し訳なさそうな、

残念そうな顔で「……だいじょうぶ」と

前を向き直る。

そして一言

「ケーキは、からだにわるい」

残念ながら私には、リドルの顔に

「ケーキたべたいです」って書いてあるのが

はっきり見える。

……お母さんに、そう言われてたのかな？

私がリドルくらいの歳だったら、絶対買って欲しくて

ショーケースの前でひっくり返って

やだやだの儀式をしてるよ……。

こんな小さい頃から我慢ができるなんて

リドルは偉い子だなあ。

いいこ、いいこと頭を撫でてやった。

そんな、いい子な女王様に

ケーキ屋さんに入る口実を作ってあげることにした。

「私は、ケーキが食べたくなっちゃった

選ぶの、手伝ってくれる？」

「！……とっておきのを

選んでみせよう！」

さあどうぞ、とドアを開けると

カランコロンと心地の良いドアベルが鳴った。

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