07 ページ7
.
.
.
帰り道を探す、なんて言ったが
一体、どうやって見つけ出せばいいんだ……?
「リドルのお家って、何県にあるの?」
「けん」
「そう、日本の上の方か、下の方かとか」
「にほん」
またしてもリドルの頭の上には
クエスチョンマークがぽん、ぽん
そうか、まだ分からないのか……。
ちらとリドルの服に着いたタグを見てみたが
解読不能の文字で洗濯表示が記されてる。
海外の言葉……? どこの国だろう
もしかして、物凄く上流階級の貴族の
お子様だったりするのかな……!
お金持ちの子供を誘拐した女になっている
かもしれないという事実に、冷や汗が出てきた。
「と、とりあえず、ここら辺歩いてみようか」
「?うん」
よろめく私を不思議そうに見つめるリドルと共に
再び街を歩き始めた。
とりあえず街中をぐるりと回って
見覚えがある場所が無いか、確認しながら進む。
……起きたら居た、なんてイレギュラーな
出会いをしてしまったから
この街の住人である確証はないけど……。
「ゆう」
「?なあに」
「ここは、ボクの街じゃないとおもう」
「やっぱり……」
まあ、だろうね……。
となると、リドルの帰路探しの難易度がぐんと上がる。
瞬間、警察に届出出したり、自分は誘拐犯じゃないって
訴えている自分が容易くイメージできた。
先が、思いやられる……。
「箒が飛んでない」
「え?」
.
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:御伽草子 | 作成日時:2022年7月3日 0時