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「なんでわたしの名前、知ってるんですか？」
「智さんが言ってましたから。かわいい常連さんがもし来たら相手してあげて、って。」
わたしは少し恥ずかしくなって、
ふーん、と素っ気ないフリをしてテーブルの木目をなぞった。
「インスタントコーヒーでもよければ、どうぞ」
作間さんの綺麗な手が目の前にアイスコーヒーを置く。
「ありがとうございます」
「ミルクとシロップも、はい」
「あ、わたし、ミルクとシロップは大丈夫です」
「女の子なのに珍しいんですね」
目尻を少し下げたその顔に、なぜかドキッとした。
「だってAちゃんはそこの喫茶店のお嬢さんだもんね」
いつの間にか帰ってきていた智くんがカウンターから顔を覗かせた。
「ああ、そこの櫻井珈琲の」
作間さんがなるほど、という顔をする。
「え、うちの店知ってるんですか？」
「もちろん。俺は砂糖をたっぷりいれないとコーヒー飲めないですけど」
「さくちゃんはちっちゃい頃にもこの辺住んでたから」
「へえ〜」
「これから俺が居ないときはさくちゃんにお店任せるから、Aちゃん仲良くしてあげてね」
「うん」
それにしても、智くんがさくちゃんなんて呼ぶほど仲良いなんて、どんな関係なんだろう。
智くんは20代の頃から10年以上一人で店を続けてきたってママが言ってたけど、
もう店を譲る気なのかな。
「そういえば、今日はあのうるさい彼氏くんはいないんだね」
智くんが笑いながら言う。
「優斗は先生に呼び出しくらってるの、あと彼氏じゃない！」
「そっか、じゃあ今日はここで勉強していったら？もうお客さんもほとんど来ないだろうし」
「いいの？智くんありがと！」
「じゃあさくちゃんあとよろしくね、俺戻るから」
「はい、お疲れ様です」
手をひらひらさせて智くんが裏口から出ていく。
どこに戻るんだろうと不思議になったけれど、なんだか聞いちゃいけない気がした。
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ゆ(プロフ) - すこさん» コメントありがとうございます！頑張ります( ; ; ) (2018年6月28日 3時) (
レス) id: cafb98ccb8 (このIDを非表示/違反報告)
すこ - とても面白いです！更新頑張ってください (2018年6月27日 21時) (レス) id: 3e29e71749 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆぴ | 作成日時：2018年6月19日 20時
