25 - Yuto side - ページ26
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今日のお洒落は俺のためだけだって自惚れてしまいそうになる。
「ほら行くぞ」
にやけてしまいそうな口元を隠して、Aの少しちいさくてやわらかい手を引っ張って映画館へ向かう。
緊張してるのが伝わってないかドキドキする。
「あ、あれだ！」
映画館につくと、Aが目をキラキラさせてポスターを指差した。
ミュージカル調の恋愛映画。
「優斗と映画の趣味おなじでほんとよかった！亜衣はつまんないって観に行ってくれないもん」
「Aの家でさ、マンマ・ミーア！のDVD10回は一緒に観たよな」
「みたみた！二人とも歌覚えちゃったもんね」
本当は俺もミュージカル映画はそこまで興味ない。
けど、何度も同じ映画を観てるのに、毎回ワクワクして目を輝かせてるAを見るのが好きだった。
切ないシーンになると俺の腕をぎゅっと掴んで静かに泣くAの横顔を、世界一綺麗だと思った。
それが、俺がAを好きだと気づいたきっかけだった。
「じゃあ俺、ポップコーンとか買ってくるから、ここで待ってて」
「うん、わかった」
Aは塩味のポップコーンとジンジャエール。
俺はキャラメル味のポップコーンとメロンソーダ。
今の俺が、Aの好きなやつ_____きっとあのパン屋の男に勝てるのは、これくらいしかない。
Aの隣にずっといたからこそ、Aのことはなんでも知ってる。
好きな映画や、お気に入りのポップコーンの味、苦手な数学の公式も、泣きそうなときの癖も。
けど、今日はいつもより大人びていて、俺の知らないAを見せつけられたみたいで複雑な気持ちだった。
「優斗ありがと！一個たべちゃお」
そう言ってポップコーンを取ろうとしてぽろっとこぼしてしまうAをみて、
やっぱりいつものAだなと安心した。
「お前ほんとバカだな」
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ゆ(プロフ) - すこさん» コメントありがとうございます！頑張ります( ; ; ) (2018年6月28日 3時) (
レス) id: cafb98ccb8 (このIDを非表示/違反報告)
すこ - とても面白いです！更新頑張ってください (2018年6月27日 21時) (レス) id: 3e29e71749 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆぴ | 作成日時：2018年6月19日 20時
