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終礼が終わり、鞄を持って席を立とうとすると、横の窓ががらっと開いた。
廊下から優斗が身を乗り出して、ごめんっと顔の前で手を合わせる。
「今日放課後ちょっと呼び出しくらったから、Aんち行けないわ」
「なんかやらかしたの？(笑)」
「違うって！」
「わかったよ、じゃあね」
「おう！」
優斗はそれだけ言うと、じゃ、とすぐに走り去った。
「�盒兇�んとのおうちデート、中止になっちゃった？」
そう冷やかしてくるのは隣の席の亜衣。
「違うよ、うちの喫茶で勉強する予定だっただけ」
「だよね〜、二人がいちゃいちゃするとか想像できないもん(笑)」
「わたしからもお断り！あ、亜衣うち来てよ」
「残念ながら、これから松本先生に数学教えてもらう約束してるからむり♡」
乙女な顔をする亜衣を見て、わたしも恋したいな、なんて思った。
仲良い男子といえば優斗くらいだけど、優斗は恋愛対象にはならないな。
困ったときに教えてくれる優斗がいないと、何だか勉強する気にもならなくて、
気がついたら智くんのお店に向かっていた。
「智くーん」
古い硝子の戸を開けて薄暗い店内に入る。
日が落ちるまで灯りをつけない智くんのお店は、常連じゃないと一瞬入っていいものか戸惑ってしまう。
カウンターに並んだパンからは今日もいい香りが漂っているが、智くんの姿が見えない。
「あれ、お出かけ中かな」
カウンターの横にある申し訳程度の小さなテーブルと椅子。
その、智くんとお喋りするときの特等席に腰掛ける。
裏口が開く音がして、男の人が入ってきた。
「あ、いらっしゃいませ」
「あれ、え、」
見たことのない顔だった。
智くんと同じ麻のエプロンをしているから、バイトでも新しく雇ったのだろうか。
「あ、今日からお世話になってます、作間です」
「新しい店員さん？」
「はい。Aちゃん、ですよね。お店空けてしまってすみません、智さんもすぐ戻ると思いますよ」
20代前半くらいだろうか、礼儀正しく頭を下げて作間と名乗ったその人は、
少し古びたこの商店街には似合わない品を纏っていた。
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ゆ(プロフ) - すこさん» コメントありがとうございます！頑張ります( ; ; ) (2018年6月28日 3時) (
レス) id: cafb98ccb8 (このIDを非表示/違反報告)
すこ - とても面白いです！更新頑張ってください (2018年6月27日 21時) (レス) id: 3e29e71749 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆぴ | 作成日時：2018年6月19日 20時
