15 ページ16
.
試験最終日がやって来た。
優斗が朝も迎えに来なくなってからもう５日くらい経ってたから、
カウンターでモーニングを食べる優斗を見て変な声が出た。
「何驚いてんの、おはよ」
「だって、久しぶりに優斗みたんだもん」
「過保護になるのもよくないかなあと思って(笑)」
「なにそれ、変なの」
「ほら、行くぞ」
こうやって優斗がいるのが当たり前だったけど、
喫茶店に来てくれなきゃ、違うクラスの優斗とはこんなに会う機会ないんだな、
少し先を歩く優斗の背中を見て気づく。
「A、今週の日曜日空いてる？」
「空いてるけど」
「じゃあこれ観に行こ」
優斗が振り向いてチケットを差し出した。
「わ、これ、わたしが観たいって行ってた映画！いくいく！」
「じゃあ決まりな」
優斗がにかっと笑って見せた。
優斗がわざわざ日曜を指定した理由は言われなくてもわかってた。
きっと、わたしの誕生日だからだ。
「ありがとね、優斗」
作間くんにもおめでとうって言われたい気もしたけど、
今から誕生日を伝えるなんていかにもお祝いしてほしいみたいだから、やめといた方がいいのかな。
あとで亜衣に相談しよう。
ひとつ大人になったら、作間くんに釣り合う女性に少しでも近づけるかも、
夏の暑さのせいでそんな淡い期待をしてしまう。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 333人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HiHiJets」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆ(プロフ) - すこさん» コメントありがとうございます！頑張ります( ; ; ) (2018年6月28日 3時) (
レス) id: cafb98ccb8 (このIDを非表示/違反報告)
すこ - とても面白いです！更新頑張ってください (2018年6月27日 21時) (レス) id: 3e29e71749 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆぴ | 作成日時：2018年6月19日 20時
