天使のイカれた約束 (ページ3)

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episode1 ページ3

ここはグランドラインのロングリングロングランド。
　そこに一人の長身の男がいる。
　アイマスクとアフロが特徴的なこの男は、海軍最高戦力大将”青雉”クザン。

「・・・・・・そういや、Aちゃんって今ウォーターセブンに住んでるんだっけ。自覚してるのかねえ、あの実が政府に喉から手が出るほどの力を持ってることを・・・・・・元大将”妖狐”殿は」

　青雉は手配書を見ながら自転車を漕ぎ、呟く。
　手配書には吸い込まれてしまいそうな淡い青色の瞳、美しい金髪を靡かせた少女が写っていた。

”誘惑の魔女”ガードナー・レイチェル
懸賞金５億ベリー《Onry Alive》

　一方その頃。
　麦わらのルフィとその一味、ウソップ、ナミがブル屋でどのヤガラに乗るか選んでいた。

「お、レイチェルちゃんじゃないか！ちょっと待っておくれよ。お客さんらはヤガラ二匹でいいかい？」
『・・・・・・先客？』

　店主の声が聞こえた三人は反応して、声のした方に顔を向けた。
　そこにいたのは、自分達とそう離れてない齢の少女がいた。黒いパーカーを羽織っており、フードで顔は見えない。

『海賊の人？』
「えっ!?何で分かったの!?」
『最近ここにくる人は海賊の人ばっかりだったの。だからあなた達もそうかなって』
「な、なるほど～」

　少女が淡々と告げると、ナミは安心し胸を撫で下ろす。

『・・・・・・賞金稼ぎに追われてたの？』
「まあ、そんなとこね」
(賞金稼ぎの方がまだマシなんて言えないわ・・・)
「あっ!なあ、お前換金所と造船所の場所知ってるか?」
『知ってるけるよ』
「じゃあ、案内してくれないか!?」

　ルフィを見て少女は考え込む仕草をした後。

『分かった、なら自己紹介。私はレイチェル、Aでいいよ』

　フードを外し、表れた顔を見て三人は息を呑んだ。
　人形のように整った顔立ちと雪のように白い肌。
　そしてなによりも、吸い込まれそうな青い瞳に目を奪われた。

「俺はルフィ、海賊王になる男だ!!」

「よろしくな!!」と手を差し出すルフィに、レイチェルはぎごちなく握手した

「私はナミ、よろしくね！」
「俺は、キャプテン・ウソップだ!よろしくな!」
『・・・・・・？キャプテンはルフィじゃないの?』
「いきなり図星つかれたわよ、ウソップ」
「んんっ!!と、兎に角出発しようぜ!!」

　こうして４人はヤガラ三匹を借りて乗り込み、出発した。
　その時彼らは気づかなかった。
　彼女が探るような目で自分達を見ていたことに・・・